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脳内発行ジャンプ 「そして…」

 ぬらりひょんの孫 リクつら。
 このシリーズは、今回で、一応、最終回。

 WJのぬら孫ページ見ました。2ページを1作品だけの宣伝に使ってるっていうのは珍しくてすごいなと思いましたが、つららのコマが小さめだったので、夏号はバトルメインっぽいですね。口吸いネタ回収は秋か冬かな。

 温かい手の感触には、慣れていた。
 他の男の手に触れられたいなどとは思わないけれど、昔は、小さなこの手が自分に抱きついてくるのが嬉しくてたまらず、そして最近は、大きくなったこの手に触れられると心の臓が高鳴ったから。幼子でも男君でも、昼の姿でも夜の姿でも、想いの質に違いがあっても、愛しいことには変わりが無くて。愛しい気持ちは時間と共に降り積もるばかりで。
 
 だから、愛し続けていられるなら、もう何もいらないと思っていたのに。



 
 奴良組の三代目は、妖怪としても成人したばかりの若造、人間としては成人すらしていない子供なのに、大変強引な男だ。
 腕の中に引っ張り込んだ女が、無意識レベルで自分を許容しているのはわかっていたから、抵抗や拒絶の言葉など一切無視して、心裏腹な言葉ばかりを紡ぎ続ける小憎たらしい唇に、噛みつくように口づける。
「んっ…ゃ…」
 唇の端から僅かに漏れた抵抗の声など聞こえなかったふりをして、胸を叩いてくる細い手首は捕まえてしまって、リクオは、初めての口づけなのに遠慮も無くつららの中に侵入していく。吹雪を吐きだす雪女の口内は冷たいが、覚悟していたほどの低温でもなくて、ひんやりとして気持ちいい、という程度。それでは、守役に甘えまくってきた堪え性の無い若様を止められるはずもなく。むしろ、煽るばかり。
 滑らかでひんやりした舌をぺろりと舐めると、つららの細い身体がビクッと震えて、抵抗が収まった。それに気を良くしたリクオは、顎を掴んでつららの口を大きく開けさせた。
 ぴちゃぴちゃと水音を立てて舌を絡め、じゅっと音立てて舌を吸う。
「~~っ!…んんっ…」
 リクオは妖怪の血が入っている分総じて早熟だったが、それでも、現代中学生としての感覚も持っていて、もう何ヶ月も、顔が近いだけでもドキドキして、実際には頬に口づけることすら出来ずにいたというのに、一度箍が外れてしまうと、あっさりと本能に支配されていた。
 あまりの急展開に思考停止したつららが従順なのをいいことに、これまで我慢した分を取り戻そうとでも言うのか、好き勝手に蹂躙する。




「………あのさぁ、キスって、あないにエロいもんやったっけ?うちがこれまでドラマやら映画やらで見たことあるやつとは、ちょっと違うような気ぃすんねんけど。ていうても、うち、恋愛もんのドラマやら映画やらは好かんから、うちがよぅ知らんだけかもしれんけど」
「口吸いとは、あまりエロくなく微笑ましいものから、大変エロいものまである。あれは、まぁ、『かなりエロい』口吸いじゃの。さすが、えろりひょんの孫」
「そのような、リクオ様が色事に旺盛であられるような物言いは止してもらおうか、羽衣狐!リクオ様は、拙僧らが花街で筆下ろししましょうと申し上げても、あっさりとかわしてこられたのだ!確かに、何かが視界に入った時にそちらに視線を向けている、ぐらいのことはあるやもしれん。だが、その程度は男の性だ。リクオ様は、覗きなどいくらでもやりたい放題、ていうか、別に覗きとかこそこそしなくてもそこらの女に頼めばいくらでも喜んで見せてくれそうなあの色男っぷりで、これまで、清廉潔白に過ごしてこられたのだ!だから、単に、あれは、惚れた女と初めて口吸い出来て『てんしょん』が上がっておるだけで……!」
「エロ田坊、それ、全然フォローになってねぇぞ」
「誰がエロ田坊だっ…淡島!?イタク!?お主ら、来てくれたのか!」
「……俺は今すぐ帰りたい気分だがな。俺が手伝いに来たのはぬらりひょんであって、えろりひょんじゃないぞ」
「そんなこと言うなよ、イタク。いいじゃねぇか、ダチの恋が実ったんだ。一緒に祝ってやろうぜ……ん?他の奴らも来たみてぇだな。あれは、毛倡妓と、首無と…」
「リクオ様、つらら、良かった。つらら、良かったねぇ……」
「いや、だが、毛倡妓、リクオ様はまだ13歳だし、つららも、あれはまだちょっと早いんじゃ」
「口吸いぐらいイイじゃないの。自分は吉原に通ってたくせに、つららに関することだとどうして変にお堅いのよ」
「いや、だがしかし……」
「おーおー。リクオ、ワシにまで高ぶった畏れが流れ込んできやがると思ったら、そういうことかい。なるほどのぉ」
「なるほどじゃないわよ、この、初代えろりひょん!あんたの孫、うちの娘に公衆の面前で何かましてんのよ!」
「何って、おぬしの悲願を叶えとるんじゃろ?」
「そっ、それはそうかもしれないけどっ!でも、何か、何か微妙にイラっとくるっていうか!だけど、つららおめでとうって気持ちも確かにあって!」
「落ち着け、雪麗」
「牛鬼…」
「式は、妖怪としての祝言と人間風の式と、2度やるべきだろうな。人間風の式は18歳まで待つ必要があるが、祝言は早く挙げて欲しい。ここは、今年中と5年後と分けてやるべきか。今年中に祝言を行うなら、これから暑くなるから、冬まで待つのが良いであろうな。ならば、それまでの間つららの立場が微妙なものにならぬように、皆を集めて説明する機会を早めに設ける方が……」
「……あんたが落ち着きなさいよ、牛鬼」
「ね、姐さん……いや、河童さん、俺はわかってます。めでたいですよね。うん、めでたい。めでた過ぎて、目から汗が出るぜ」
「猩影、ドンマイ☆はい、ティッシュ」
「八咫烏様、俺たちは、『晴明と戦うぬらりひょん』と一緒に戦う為に、来たんですよね?でも、今、俺の目に映るのは、『会議の時にあからさまに特別扱いしてた側近頭の雪女との口吸いに夢中になってるえろりひょん』なんですけど……」
「……いや、まぁ、せっかく来たしな。ちょっとは待ってみよう」
「えーと、私は、夏の京都で世話になった君に使ってもらおうと思って手甲を持って来て、そのまま自分も参戦するつもりだったのだが……」
「秋房、手甲ありがたくいただいとくぜ。アレに関しては……も、もう少ししたら終るかと思うから、待ってやってくれねぇか」
「『もう少し』とは、何分だ?1分か?3分か?俺は、それぐらいじゃ終らん、に一票だがな。賭けるか、妖怪」
「あ、竜二兄ちゃん!別行動でやりたいことある言うてたのに、なんでここにおるん?」
「園潮を罠に嵌めてやろうと用意してたのに、あいつ、自分から進んでラブコメに侵食されやがったから、無駄になっちまったんだよ。で、もうバカバカしいから合流した。ゆら、妖怪バカップルにゆらMAXかませ。命令だ」
「えぇっ!いやや!馬に蹴られそうやもん!それに、ゆらMAXでは鏡花水月でかわされるだけやで。神アローやったら畏れ切り裂いて当たるやろけど」
「馬が来ても、ゆらはボクが守る」
「あ。魔魅流君も来はったんやね」
「何じゃ、騒がしくなってきたのぉ」




 遠野の淡島とイタク、本家で戦っていた者、共に戦うべく駆けつけてくれた各地の妖怪、秋房、竜二、魔魅流といったメンバーが続々と集結してきた。
 ならば、踊り場が手狭になりそうなのにそうならないのは、有行がこっそりと踊り場の面積を広げているからだ。
 皆の輪の中心で濃厚な口吸いをしているバカップルは、皆が集まったことにも気づいていない様子。つららが時々息も絶え絶えになるのだが、その度に無意識にリクオの精気を吸って回復しているから、なかなか口吸いが終らない。
 この場にいる全員は、陣営も来歴も種々様々だが、対晴明戦の旗印を掲げるべき中心人物は奴良リクオ、という見解において一致していたので、リクオを置き去りにしていくことはできなかった。
 なので、皆は、過去の遺恨やら何やらは一度置いておいて、誰があのばかっぷるを止めるか、という会議を始める。ちなみに、皆が真面目に話し合っている中、有行は、スケッチブックを取り出した文車妖妃の頼みで、バカップルの背景に、シャボン玉やら花やら鳥やらを飛ばしていた。




「うう、じゃんけん負けてしもた……」
「こんなことで神アローを無駄遣いするのはどうかと思うが、こうなっては仕方が無い。ゆら、あのヤロウの横っ面を、張り倒してやれ!」
「わかったわ、兄ちゃん。行くで、奴良君!式神…」
「待て待て待てぇーいっ!」
「人が必殺技繰り出そういう時に邪魔せんといて!誰や!?…て、晴明ぃっ!?」
「貴様ら!さっきからずっと待っているのに全然来ないし!どういうつもりだ!ふざけるなよ、ぬらりひょんの孫っ!!」


 
 登場したのは、『ラスボスは1番高い場所に居る』の法則に従って天守閣で待っているはずの安倍晴明だった。
 彼は、このまま花開院ゆらにツッコミ役を任せては、ツッコミ→リクオがゆらに文句を垂れる→明鏡止水で逃亡→皆でリクオとつららを探す、という展開になるだろうと予測して、これ以上放置されないように、自らがやってきたのだった。
 晴明がこの場に登場してしまえば、『ラスボスからは逃げられない』の法則によって、リクオの逃亡を阻止できる。
 晴明としては、天守閣に用意した幾多の演出小道具(おどろおどろしい太鼓の音がするBGM。雅さ演出で焚いておいた香。半径1メートル以内に人影が近付くと泰山府君の法で復活する骸骨兵士。などなど)を使えないのは悔しかったが、これ以上待たされたくはなかったのだ。

 

「何しやがる晴明っ!オレの嫁に当たったらどうすんだ!」
「リクオ様、『オレの嫁』って……」
「もちろん、お前だ。オレの気持ち、伝わったろう?それとも、まだわかんねぇってんなら、もっと…」
「わっ、わかりました!わかりました!よくわかりました!」
「じゃあ、ラブラブ鬼纏行くぜ、つらら!」
「はい!リクオ様っ!」



**********


「こうして、やっと、……なんだか大変すごくイロイロ、わけわからない所で脱線したり寄り道したりしつつも、後の妖社会に語り継がれる決戦が、始まったのでした」

 て、導入にしては長いですかねぇ。どう思います、有行殿?
 う~ん、ラブコメ編と戦い編と分けちゃったら?2夜連続で語る企画とかにすればいいんじゃないの?
 なるほど。では、ラブコメ編はここで終了、ということで。

 皆様、後は、戦い本編をお待ちくださいませ。




【おしまい】

 



 
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