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溜息を吐き君は馬鹿だねと彼は呆れたように小さく呟いてそして

 鋼の錬金術師。ロイアイ。

 とん。とん。とん。とん。 

 ゆっくりした一定のリズムで、背に添えられた手が優しく背中を叩いてくれる。温かいその手と、硬くて確かなこの胸とが、慢性的に強張り過ぎていて飽和しそうだった精神を柔らかくする。

 場所はあいかわらず薄汚れたテントの中で、テントの外では砂交じりの風が吹いていた。入り口をしっかり閉じたはずのテントの中にも、やはり少し砂が溜まっていて、ここは一時の休息所に過ぎないことを主張している。外は砂の世界。人血を染みこんで重く湿る砂の・・・・・

 とん。とん。とん。とん。

 再びこみ上げてきたモノが、背中を叩くリズムに掻き消される。青い光を放って焔を生み出すこの魔法の手は、徐々に私の『軍人』の部分を溶かして、その奥で酸欠しそうになっていた『リザ』に息をさせてくれる。この一時が終わったらまた『軍人』の鎧に覆われて戦場に立つのだけれど、でも今、切実に、「私はまだ生きている」と実感させてくれるこの手が必要で。縋りついている己の有様がどれほどにみっともなく浅ましいかを知ってるつもりでも、止められなくて。

 とん。とん。とん。とん。

 やっと解凍された感情が溶けて閉じた瞼からあふれ出しそうになったから、慌てて堪えようとしたら。

「・・・・君はバカだね」

 呆れたように呟かれた声は優しくて、堤防は瞬時に決壊した。







【おしまい】
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