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完売した本

●桜前線異常ナシ A5 60p 600円 表紙mk様
sakura-hyusi-1.jpg
※完売しました

 春のイメチェン嵐のツインテールつららネタです。
 あらすじと本文見本は以下に入れておきます。
【あらすじ】

 桜舞い散る春の夜、奴良リクオは、ついに、大妖怪鵺を倒しこの国の闇に平穏を取り戻した。
 戦いで負った傷を癒し、平穏を噛みしめるリクオの隣に侍るのは、鵺との決戦直前に想いが通じ合った、最愛のつらら。
 全ての憂いが消えたリクオは、我が世の春を謳歌せんと、つららとの仲を深めようとするのだが・・・・・邪魔が入ったり逃げられたりして、なんだかうまく行かない。
 だが、13歳にしてこの国の闇を統べる若き主は、諦めも凹みもしなかった。邪魔が入るなら、入らぬようにすればよいし、逃げるというなら、逃げられぬようにすればよいのである。考え方が魔王っぽい?いやいやそんな、愛し合ってるから問題無いって!
 こうして、事態は、恋人同士の甘やかな駆け引きというよりは、攻防戦みたいになっていくのであった・・・・

 要するに、リクつらなラブコメです! 
 今回は、リクつら以外のキャラとしては、猩影君と清十字団が多めです。
 
 



【本文見本】

 
「猩影君、ちょっといいかな?」
「え、何ですか三代目?」
 たまたま用事があって本家を訪れようとしていた猩影は、門を潜る前に呼びとめられた。
 振り返ると、昼姿のリクオが立っていた。赤い夕陽に照らされたその立ち姿に、鵺との戦いで負った怪我の影響が無いのを見て安堵しながら、猩影は立ち止まる。
「いや、実は、猩影君に内緒で相談したいことがあって。いろいろ考えたけど、相談相手は猩影君が1番いいかなぁって思ってさ。今からちょっと時間取ってもらえるかな?」
 切り裂き通りゃんせの事件の時と逆さにしたような台詞を言われて、数多の下僕がいる三代目が他ならぬ己を頼りにしてくれいるのだ、と思った猩影は目を輝かせた。
「三代目・・・・。俺でよろしければ、何でもおっしゃってください!」
 こうして、猩影は、玄関を通らず、庭から直接リクオの部屋へ招かれたのだった。夕闇迫る時刻、常ならば灯りをつけて女衆に茶でも運ばせるだろうに、今日は、灯りは点けずに障子越しの夕陽だけでの会談。
 シチュエーションがいかにも秘密の相談っぽくて、年若い猩影はわくわくした。
「俺に、何のご用でしょうか?」
「相談の前に、1つ、重大な質問が」
「はい?」
 猩影が、目を輝かせていられたのは、ここまでだった。
 瞬時に夜姿に変じたリクオが、神速の居合抜きで、どこからともなく取り出した祢々切丸を猩影の首に突き付ける!
「!?」
 罪もない猩影は、当然、何が起こったのか理解できない。彼にわかるのは、妖怪の畏れを散らす効果があり鵺をも斬り捨てた祢々切丸で斬られたら、自分は確実に死ぬだろう、ということだけだ。
 薄皮一枚隔てた距離に冷たい刃を感じて、猩影は、脂汗を流しながら彫像のように固まっていた。
「おう猩影、お前、つららのことどう思ってんだ?」
 炯々と輝く紅い瞳に籠った険、ドスの利いた低い声。そう、リクオは、前夜の夜這い失敗からずっとキレていた。
 夜這いが失敗したのが男として残念でならないし、つららの部屋に夜乱入しようとした牛頭丸は斬り捨てたいほど腹立たしいし(牛鬼が土下座して詫びを入れなかったら、斬っていただろう)、気が動転したつららに牛頭丸と馬頭丸と一緒に氷漬けにされたのも悔しいし(お涼は上手く逃げた)、つららの大声と解凍する為の騒ぎで屋敷中に夜這い失敗が知れ渡って皆から憐れみの目で見られるのもイライラするし、恥ずかしさが極まったつららが部屋に籠って顔を見せてくれないのが、切ない。
 そこらの中学生男子とは比べ物にならないほど精神力も忍耐力もあるリクオであるが、ここ一連の出来事は堪えた。
 リクオは、それまでの戦いの日々で自制を重ねてきた反動で、決戦後一気に頭の中がお花畑となり、療養期間中は、ずーっとつららのことを考えていた。故に、やっと完治した一昨日の夜にはもう、恋愛に全力で取り組む気満々だったのだ。
 リクオは、京都での戦い以降、鵺との戦いに向けて備え、努力を積み重ね、何があっても決して諦めなかった。最初にあれだけの力の差を見せつけられても、心折れずに戦い続けた。だからこそ、鵺に勝つことが出来たのだ。
 そんなリクオが、『全力で』恋愛に向き合う気になったのだから、この上もなく本気なのである。
 だが、両思いなのに、何故か上手くいかない。
 リクオにとっては、この恋は初恋、しかも、数多の戦いや過去の因縁による事件を経て、鵺との最終決戦前に想いが通じ合う、というそれはドラマチックな展開(後で文車妖妃にノベライズを依頼する予定)を経た恋だ。だから、現在は、これまでの苦難のご褒美として、所謂『こうして見事宿敵を打ち倒したヒーローは、ヒロインと結ばれて末長く幸せに暮らしました』という状態になるべきだと思うのに、現状がコレなので、・・・・・グレていた。
「心の中は誰でも自由で、主だからって縛れねぇのはオレもわかってるぜ。でも、わかってると腹が立たねぇえってのは、別の話だよな・・・・」
 昨夜の騒動など知らない猩影は、自分より若いのに思慮深いと尊敬していた三代目のご乱心と、至近距離にある抜き身の祢々切丸の恐怖で、ちょっと泣きそうだった。
 だが、若輩者とはいえ一家を率いる組長として涙を堪え、状況を打開しようとして必死に考える。
 先週見舞いに訪れた時は普通で、以降は接触がなかったので、自分の行動に怒っているわけではないだろう。ならば、これは、八つ当たりということになる。しかし、このキレっぷり(何があったんだろう?)では、八つ当たりであることを冷静に指摘しても、逆ギレされるだけだろうな。
 質問の内容からして、三代目がここまでキレているのは、つらら姐さんに関することだ。そして、三代目とつらら姐さんは、鵺との決戦前に想いが通じ合った、と河童さんから聞いた。実際に2人でいるところを見ても、昔からずっとイチャイチャしてばっかりだから俺には違いがよくわかんなかったけど、河童さんが言うなら確かだろう。
 と考えた猩影は、これ以上リクオを刺激して万が一にも手元が狂わぬように、焦りながらも言葉を選んで答えた。
「おおお俺はっ、正直に言って、まだ自分が妖怪だって知らなかった頃、つらら姐さんに憧れてましたっ!つーかぶっちゃけ初恋の相手でしたっ!でも、それは本当に小せえ頃の話で、今は違いますっ!」
「猩影、嘘吐くなよ?オレは、行動するなら兎も角、心ん中で思ってるだけのことまでどうこう言うつもりはないぜ?」
 睨みつけて刀を引かないままそんなこと言われても、説得力はちっとも無い。
 猩影の返答は、マズくなかった。常のリクオならば、これで終わっていただろう。しかし、今日のリクオは盛大にキレていて、この答えでは足りないようだった。猩影は、己を曝け出すことこそ相手の信頼を得る方法、と誰かさんのようなことを考えながら、さらに言葉を紡ぐ。
「俺、健気清楚萌えで、ドジっ娘萌えで、姉属性萌えで、姐さん萌えなんですっ!」
「・・・・あん?」
 人間の男友達は清継(補欠で島)ぐらいしかいない上に戦いに明け暮れてきたリクオは、その種のスラングに疎かった。なので、意味が理解できずに不思議そうな顔をする。険が薄れたその表情に生き残れる可能性を見出した猩影は、恥ずかしさなど忘れて己の嗜好を吐露した。
「だから、健気で献身的で清楚可憐で、ちょっとドジで、年上でお姉さんっぽくて、極妻の姉御的要素を持つつらら姐さんのことはすげぇ好きですけど、これはあくまで『萌え』であって、恋愛感情じゃないんです!俺は、『三代目を好きなつらら姐さん』に萌えているんであって、『俺と恋愛して欲しい』とか思ってるわけじゃないんですよ!『俺の嫁』的な萌えじゃないから、『若の嫁』な状態が1番萌えるんです!俺の萌えは、ギャルゲーで主人公に自分の名前を付けるようなタイプじゃなくて、見守り隊系なんです!つまり、俺は、三代目とつらら姐さんの仲を応援してるんですよっ!」
 命が懸っているので、猩影の声は大きかった。だから、近くの廊下を歩いていた毛倡妓が、「残念なイケメンが、また1人」と痛ましそうに呟き、ちょうど庭の上空を見廻りしていた黒羽丸が、鴉天狗一族内業務日誌に一言一句漏らさず書き記してしまう。
「・・・そうなのか」
 本人が知らぬ所で今後の人生に影響がありそうな事態が生じていたが、猩影にとっては、リクオが刀を引いてくれたことの方が、重要だった。
 硬直状態から回復してほっと息を吐くと、いつの間にか刀を仕舞って昼姿に戻ったリクオが、にっこりと笑う。
「猩影君が、イイ人でよかった。頼りにしてるよ。これからもよろしくね」
「は、はい。身に余るお言葉です・・・・」
 





「で、相談。ここまで失敗が続くって言うのは、単純に空気読めない邪魔が入ったというだけじゃなくて、他の要因もあるんじゃないかと思うんだ。つらら、部屋の戸を氷漬けにしちゃってて、母さんが説得しても出てきてくれないし」
「・・・・はあ」
 たまたま部屋の前を通りがかった毛倡妓(目が死んでたけど、どうしたんだろう?)に淹れてもらったお茶を啜って、先刻よりずっと落ち着いたボクは、相談を持ちかける。
 さっきは、疑ったりして、悪いことしちゃったなぁ。
 実はボク、関東大猿会の若き組長の忠義を信頼しているのとは別に、前々から、いらんちょっかい掛けて嫌われてる牛頭丸なんかより、ちゃっかり弟ポジションをゲットして可愛がられている猩影君の方が危険だ、と思ってたんだよね。
 だから、昨夜の牛頭丸の言語道断の行いのせいで、男からつららへの好意に警戒が強くなっててさ。門前で待ち構えるほど相談に乗って欲しかったはずなのに、いざ姿を目の前にすると邪推を抑えきれなくて、暴走しちゃったんだよなあ。
 うーん、ボクって、今まで気づかなかったけど、独占欲強いのかもしれない。
「ボクは200%乗り気なんで、問題は、きっとつららにある。つららは、ボクのこと好きなくせに、なんでこう今一つ乗り気じゃないんだろう?どうしたら、つららにその気になってもらえるかな?猩影君、どう思う?」
「・・・・えーと、なんで俺を相談相手に選んだんですか?」
「女性に相談したら、『待ってやれ』とか言われるに決まってるから、女性は無し。青はそもそも論外、黒と牛鬼は毛倡妓曰く『残念なイケメン枠』らしいし、鴆君には恋愛系の相談は嫌だって言われてるし、鴉天狗は口うるさいし、黒羽丸とトサカ丸はお堅いからダメ。残ったメンバーの中で、猩影君なら、女衆が最近集計した奴良組内モテランキングの上位にいて、首無よりボクやつららと歳が近いから、感性とか近くて有効なアドバイスしてもらえるかな、と思って」
 ちなみに、この序列、同列1位が3人いて、ボクとお父さんとお祖父ちゃんだった。投票制ではなく、女子会での合議制で定めたランキングなので、そういう結果になったらしい。
「なるほど・・・・。えーと、姐さんは慎ましい大和撫子だから、恥らってるんじゃないでしょうか?」
「うん。それはあると思う。けど、それだけじゃないような気がするんだよね。他に、何か思いつかない?」
 つららは、基本的に現代に適応出来ているけど時々古風なところがあって、恥らう風情が堪らない。それを突破して迫るのは、障害ではなく、むしろ恋愛の醍醐味だろう。
「狐の呪いって、どうなったんすか?」
「13代目秀元調べで、解除されたことが確認されたよ」
 先週、地獄からメールが来た。ボクと秀元さんはメル友だ。
「えーと、主従の立場とか、そういうのでゴチャゴチャ言いそうな貸元を気にして、とか」
 猩影君が言葉を濁す。子守女が若様を零落しおって、とかの非難はボクも聞いたことがある。ちなみに、ソレを言った幹部は、三代目襲名時の組織改革で引退させておいた。
「根回しはしたよ。それに、皆の前で特別扱いすることで、全国の組の代表者にお披露目したも同然だし。内心どう思ってるかはわからないけど、反対してる貸元が居てもそれを声高に口に出すことは出来ないだろうね。そして、させない」
「俺もそんなのはさせません!俺、姐さんの味方ですから!」
 拳を握ってボクが断言すると、猩影君も身を乗り出して力強く頷いてくれた。イイ人だなぁ、猩影君。
「うん、ありがとう。心強いよ、猩影君。でも、だったら、何が原因なんだろうなぁ・・・・・・」
 ボクらは、しばらく考え込んでいたんだけど、夕陽がすっかり沈んだ頃に、猩影君がぽつりと呟いた。
「・・・・あのぅ、俺、気になってたんですが、三代目は姐さんに何か約束とかしたんすか?」
「約束?好きだ、惚れてる、未来永劫一緒、お前は特別、1番可愛い、とかは言ったけど?」
「そういうんじゃなくて、将来の約束っつーか、奴良組の姉御になってくれ、みたいなのは」
 猩影君の言葉に、ボクは瞠目して膝を叩く。
「それだっ!!ずっと思ってたし、小さい頃は『お嫁さんになって』とか言ってたけど、それ以外では言ってない!」
 ボクは、ずっとつららを好きで、幼い頃はストレートに表現してた。けど、反抗期中は、幼い自分が彼女の恋愛対象でないことに拗ねて、ちょっと邪険に扱ってしまった。その後は、身長も同じぐらいになってきたし(今ではボクの方が高いよ)、妖怪として覚醒もしたしで自分に自信が出来たので、つららのことをボクのモノとして扱っていた。
 つららは、ボクのモノとして扱われるのをちっとも嫌がらずむしろ喜んだから、ボクは、つららの気持ちを確信していたものの、夏の京都で狐の呪いという大変面倒くさい問題が発覚し、山吹乙女さんみたいに失踪されたら困るから、この戦いが終わるまではっきり明言しないでおこう(でも他の誰にも手出しはさせない)、て思ってたんだよねぇ。
 まぁ、そんなこと思っててもおあずけが出来ない男であるボクは、晴明との決戦直前、テンションが上がりまくってるところで、つららがあんまり健気で可愛くて愛しくて切ない程だったから、我慢できずに告っちゃったわけだけど。手も出しちゃったわけだけど。お互いファーストキスなのに、バードキスとかフレンチキスとかじゃなくて、すんごいディープなのをかましちゃったわけだけど。
 と、やらかしたけど・・・・・言ってないなぁ、確かに。
「色事って、女性の方がずっとリスクが高いじゃないですか。だから、女性は、態度でわかっていようとも明確な言葉を欲しがるわけで。その上、元々守役で今は側近頭、ていう姐さんの立場を考えたら、手を出されて嫁になれなかったら、妾として居座るか、居辛くて組を去るか、てことになって人生変わっちゃいます。だから、慎重になってるんじゃないでしょうか?なので、ここは、若さの暴走や単なる欲望ではなく、一生責任取るつもりだからこそ姐さんが欲しい、てことを伝えればいいんじゃないかと」
「わかったよ、猩影君!なんて頼りになるんだ!相談して良かった!ボク、頑張るよ!」
 ボクは、猩影君の手をがっしと握り締めて、心の底からお礼を言った。
 気づかせてくれてありがとう、猩影君!ボク、『全力で』がんばるよ!

 この後、用事を済ませて奴良屋敷の門を出た猩影は、「実は、恋愛感情はちょっとだけありました。でも、姐さんの笑顔が1番輝くのは三代目の側に居る時だから、応援してる気持ちもホントです。つらら姐さん、幸せに、なってください、ね・・・!」、と、泣きながらダッシュして去っていた。
 だから、彼は知らない。
 己の言葉が、この後、どんな騒動を引き起こすのか、を。
 リクオの『全力』がどれほど恐ろしいものであるのか、を。



:::::::::::::::::

 リクオ様の『全力』がどれほど恐ろしいものかは、本にてご確認ください。
 mk様の表紙は大変可愛らしいですが、はっきり申し上げて、この本は表紙詐欺です。
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