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完売した本

●かごめかごめ 新書サイズ(フルカラーカバー付き) p120 \900 絵師:mk様
※完売しました
kagomekagome2.jpg

 あらすじと本文見本を以下に入れておきます。
【あらすじ】

 目覚めると、夜の海に突き立つように立てられた神社の中。鏡のように夜空を映す、凪いだ海面。1人きりの、自分。
 わけがわからないまま朱塗りの回廊を巡ると、中央の舞台で劇が始まった。


 かごめかごめの童歌を軸とする、現実ではない、在り得るはずの無い、在り得てしまうのかもしれない、リクオとつららの4つの物語。

 年上のリクオと、幼い雪女つららの、物語。
 妖怪の姿を持たず人間でしかないリクオと、つららの、物語。
 他の女と子を設けてしまったリクオと、それでもリクオを求めてしまったつららの、物語。 
 幸せだったリクオとつららと、魔王に堕ちた男の、物語。
 

 劇を観ている間は劇中の『自分』の感覚を体感する為、リクオと氷麗は、次第に心かき乱される。
 どんな困難があっても恋心を諦めきれない『自分』、恋を叶える為に必死に行動した『自分』、勇気を出さなかったことを後悔した『自分』、正しさより恋を選んでしまった『自分』、恋により闇に堕ちた『自分』。
 劇中の『自分』と重ねて比べて、リクオと氷麗は、己の恋を再認識する。  

 相手を求める気持ちを確認した2人が出す結論とは?そして、劇ではない現実の2人の恋の行方は?

 かごめかごめ かごの中の鳥は いついつ出やる
 夜明けの晩に 鶴と亀がすべった うしろの正面だぁれ?


 ねぇ、この恋しか選べないとわかったその時、うしろの正面にいるのは、だぁれ?




【作中作説明】

〈桜満開なう〉

 リクつら年齢差逆転の話。
 齢100近い魑魅魍魎の主リクオと、幼い頃からリクオに憧れ、やっと今年側仕えとしてお側に侍ることが出来るようになった、13歳の雪女つらら。
 まだ13歳の若さで、一生に一度の恋をリクオに捧げ、想いが叶わないことを覚悟して、それでも側に居たいと願ったつららに、リクオは・・・・・・


〈雪桜〉

 リクオ人間ルート話。
 この春で高校3年生になるが、奴良リクオは、どうやら、妖怪として覚醒することはないようだ。あくまで人間でしかない彼は、父の遺言で庇護されていたものの、古参幹部には認められていなかった。だからこそ、彼は、自分の未来を選ばなければならない。
 今宵、人間奴良リクオが、恋慕う雪女のつららに、告げた想いとは・・・・・


〈結ンデ開イテ羅刹ト躯〉
 
 当ブログ掲載『ぬらりくおの嫁シリーズ』の妄想劇場設定の話。
 16年前、リクオが他の女を孕ませて結婚してしまっても、つららは、想いを断ち切れずにいた。だから、運命のあの日、リクオを拒むことができなかったのだ。あれから16年、つららと血が繋がらぬリクオの長男は、父の昼姿そっくりに成長して、父の『妾』であるつららに恋をしていた。
 愛する男の息子から、募る恋心を打ち明けられたつららが、出した結論とは・・・・・・


〈悲鬼子守唄〉

 当ブログ掲載『しなやかな腕の祈り』の前エピソード、リクオ魔王ルート話。 
 どうして、奴良リクオが魔王になってしまったのか?彼に、彼女に、何があったのか?
 誰も居ない何も「無い」闇の中で、魔王は、取り戻せない過去を夢見る・・・・・
 


※微パラレル設定なss×4を内包して、1つの物語になっております。微パラレルのテイストは、ラブコメ・シリアス・昼メロ・鬱ですので、お気をつけください。全体のお話としては、ハッピーエンドです(一応)。
※mk様のご好意により、カバー裏にもおまけがあります。購入してくださった方は、カバーを捲ってください!





【本文見本】

〈桜満開なう〉

「たった5つでこの日の本の闇を統べる魑魅魍魎の主を氷漬けにしたお転婆な雪ん子も、もう、大人になったんだなぁ」
「・・・・・しみじみおっしゃらないでください。アレは、その、子供だったから無茶をしましたが」
「お前は何も悪くねぇよ。小っこい雪ん子が可愛くてつい悪戯しちまったオレが悪い。泣きながら帰っちまったのに、それから毎年会いに来てくれて、こうして側仕えにもなってくれて、ありがとうな」
 この方は、本当に、8年前と同じで困った方です。
 私は、8年前の幼子でも心は女で、成人した今となっては身体も女なのに、ぐいっと肩を抱き寄せてこんなことをおっしゃってはいけません。
 リクオ様は、毎年顔見せに訪れる雪ん子を可愛がって、季節毎に文や贈り物もくださいましたが、それは、姪っ子にでも構うような感覚だということは、ちゃんとわかっています。お側に置いてくださるのも、母が築いた功績と、私ほど若い妖怪は珍しいから気に掛けてくださっているのでしょう。
 私は、冷たい肌の雪女。桜が似合うこの方は、いつか、凍てつく冬ではなく花綻ぶ春みたいな奥方を娶られるのだろうということも、覚悟しています。
 わかっていて、それでも、毎年、お会いできるほんの数日を楽しみに生きてきました。春の桜を見てはリクオ様の桜吹雪を思い出し、夏の暑さにバテては東京の夏はもっと暑いはずだから頑張らないとと己を励まし、秋になって木の葉が色づくと後何回眠ったらお会いできるだろうと夜を数え、雪が降る頃になると会えたことで更に想いを募らせて・・・・・やっと、今年から、お側にお仕え出来ることになったのです。
 お側にいては、想いなど降り積もるばかり。いずれ、奥方になられる女性に嫉妬して溶けるほどに泣くのだろうと、いっそ溶けてしまいたいと願うほどに切ないだろうとわかっていても、もうお側を離れることはできません。 
「リクオ様、からかわないでください・・・・」
「からかってねぇよ。お前が、もう大人だって言うなら、な」
 これ以上くっついていては想いが高ぶって泣いてしまうかも、と思った私は、俯いて、身を捩って肩を抱く腕から逃れようとしたのですが、反対に、胸に抱き寄せされてしまいました。逞しく、温かい胸に。
「リクオ、様・・・・?」 





〈雪桜〉

 桜ソフトは、桜餅の風味がする。この店のは元々のクリームの質も良いので、結構美味しい。
「美味しい・・・!私、この味本当に好きです。どうして、季節限定なのかしら」
 頬を紅潮させながら、つららが呟く。つららは、うっとりと夢見るような眼差しで桜ソフトを見つめながら、せっせと口を動かしていた。
 ・・・・・あのさ、女の子がソフトクリームを食べる姿って、ちょっとエロくない?
 いや、そう感じるのはエロフィルターが掛かった思春期の男の頭がバカなせいだってわかってるんだけど、でも、ピンクの唇が濡れてつやつやしてるのとか、赤い小さな舌がちろちろ動くのとかで、何かを連想してしまうというか妄想してしまうというか・・・
 早々に食べ終わったボクは、つい、辺りを見回してしまった。他の男が今のつららを見て同じ煩悩を抱いたら嫌だな、と思って。
「リクオ様、どうなさったのですか?」
「あ。いや、・・・・えーと、さっき公園でかごめかごめが聞こえたんだけど、遊んでた子たちもういないみたいだな、と思って」
「あら。今時の子供もそういう遊びをするんですね。リクオ様がお小さい頃には、よく一緒に遊びましたけど」
 咄嗟に誤魔化そうとして口にした台詞に、桜ソフトを食べ終わったつららが反応した。そして、さっきボクが思っていたのと同じことを言うから、なんだかおかしくなって少し笑う。
「リクオ様?」
「ああ。うん。ボクも、つららと同じこと考えてたから」
「まぁ、そうなんですか。ふふっ、帰ったら小妖怪たちと一緒にやります?リクオ様が構ってくださったら、皆、喜びますよ」
「やらないよ。ボクはもう小さな子供じゃないから」
「・・・・ですが、まだ大人ではありません。人間の成人は20歳ですもの」
 つららの声が急に固くなった。理由はわかっているから、ボクは慌てずに、金の瞳をまっすぐ見つめて言葉を返す。
「つらら、春休みが終わったら、学校で進路指導が始まるんだ。ボクは、将来のことを決める時期になった。ねぇ、まだ大人じゃないのはわかってるけど、もう子供でもないんだよ」
「ですがっ」
「つらら。心配しなくていいよ。ボクは大丈夫」
「・・・・・リクオ様、ご存知ですか?」
 せっかく桜ソフトのおかげで上機嫌になっていたのに、ボクはまた失敗したようだ。目を伏せて呟くつららの声が、震えている。
 急に陽が蔭ってきた。そのせいだろうか、長い睫毛の影が落ちるつららの瞳が、やけに昏い色に見える。
「つらら、何の話?」





〈結ンデ開イテ羅刹ト躯〉

「リクオ様、私、私は、ずっと、あなたを・・・・・・」
 お慕いしています、と続けるつもりだった言葉は、けれど遮られる。私は、一瞬、何が起こったのかわからなかった。
 天井の蛍光灯を遮る角度であなたの顔が見えて、やっと、ソファの上に押し倒されたことに気づく。両の手首は、力強い大きな手で、ソファの上に縫い止めるように捕らえられていた。
「リクオ、様・・・・・・?」
 そして、あなたは、全てを変える言葉を口にする。
「つらら、好きだ」
「!!」
 耳元で熱く囁かれた。低い声。穏やかな風貌なのに激情を湛えた、金茶の瞳。
 私は、驚きで言葉が出ない。
 想いを告げるつもりでは、いた。けれど、叶うとは信じていなかった。
 傷つくことを恐れて何もせずに夢ばかり見ていたらどれほど悔むかを知ったから、あなたの手を煩わせて申し訳ないけれど、胸に宿る小さな燈火を吹き消してもらおうと思って。そこから、底無しの闇の中から、新しい私を始めようと思って。未来が真っ暗でも、誇り高い母の娘として恥じぬ生き様を目指そう、と考えていたのだ。
 だから、私は、息が止まるほどに驚いてしまって。
 けれど、嬉しくて。
 今ここで死んでもいい程に、これが夢ならば醒めぬままに死んでしまいたいと思う程に、嬉しくて!
「好きなんだ・・・!」 
 私は、あなたに口づけてもらう為に、そっと目を閉じた。
 
 嗚呼、これが罪であろうとも、あなたが私を求めてくれるのならば。





〈悲鬼子守唄〉

 はらはらひらり。ほろり。ひらり。
 薄紅の花弁が風に乗って舞い踊る午後、眩しい春の陽の下で、子供が遊んでいる。

 かごめかごめ かごの中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀がすべった うしろの正面だぁれ

 掌で目を覆ってしゃがみ込んでいるのは、幼い男の子。今時珍しく着物を纏っているが、それ以外は全く普通の子供。
 しかし、その子を取り囲んで童歌を歌っているのは、異形の妖たちであった。目の多いモノ、手の多いモノ、角のあるモノ、翼持つモノ、あからさまに人がましくない異形たちの中に、1人、目を奪われるほど美しい娘がいる。
 射干玉の黒髪、雪白の肌、鈴が鳴るような声、どれをとっても人より麗しく、満月の色をした瞳は、覗き込むと円環を宿しているのがわかる。人に似た、けれど人とは違う、人より美しい妖怪、雪女。
 童歌の終りで子供の後ろに立ったのは、雪女であった。故に、子供は、すかさず彼女の名を呼ぶ。
「つらら!」
 自信を持って名を呼んで振り返ると、雪女は少し首を傾げていた。さらり、と髪が揺れる。
「若様、どうしてわかったんですか?いっつも、私だけは百発百中で当てられてしまうのは冷気が漏れているせいかと思って、冷気を出さないように気をつけたし、声でわからないように歌も歌わなかったんですけど」
 雪女はもう成人しているが、妖怪というのはいくつになろうと稚気を忘れぬモノなので、遊びに対して真剣だった。だから工夫してみたつもりなのに失敗したのが不可解で、不思議そうな顔をしている。
 すると、子供は、むっとした様子で口を尖らせてこう言った。
「何言ってるのさ。ボクがお前をわからないわけがないだろ?」
「・・・・何でですか?」
「何でって、つららはつららだもん。わかるよ」
 子供の説明は、一向に要領を得ない。確信的な表情から、彼の中には確固とした理由が存在しているようなのだが、まだ幼いので語彙が足りず、うまく言葉に出来ない様子。
 ならば、これ以上尋ねても無駄だろう。この子が成長したらまた尋ねてみよう、と考えた雪女は、それ以上追及することを止めて、子供の代わりに鬼になるべく、輪の中央に座って目を隠した。
 この先もずっと一緒なのだから、いつでもいくらでも尋ねられる、と思いながら。
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