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あなたが私にくれたもの-2012/01/11 05:30

 ぬら孫 リクつらsss。

 今日は、奴良組三代目直属側近頭さんのご生誕記念日ですね。
 非才なる身ではございますが、この良き日を言祝ぐべく、ちょろちょろと更新を続けたいと思います。
 まず、以下に第一陣をば。
 
 水面に落とされた墨汁のように、不定形の波紋を描いて広がる畏れ。
 音も無く襖が開いて、背の高い人影がするりと滑りこんだ。
 彼は、足音を立てぬようにつま先立ちで、そろりそろりと、敷かれた布団の枕元へ歩み寄り、座り込む。
 優しげに眇めた視線の先は、お人形のように愛らしい寝顔だ。 
 満月色の瞳は長い睫毛の奥に隠されてしまっているが、磁器のように滑らかで白い肌に薄く薄く紅を塗ったような桃色の頬はいかにも柔らかそうで、連日家中を騒がせていた元悪戯っ子としては、突いてみたいと指が疼いた。
 触れた感触は、もう知っている。ひんやり冷たくて、むにむにと柔らかくて、つるつるのすべすべで、指に心地よいからと何度も突いてやったら膨れてしまった顔さえ、ひどく可愛らしくて・・・・・
「っ」
 はっと我に帰り、伸び掛けた指をなんとか引き留める。
 いやいや、今日の目的はそうじゃねぇだろう?
 頭を振って、ついでに纏った妖気も散らして姿を変じて、やっと初志を思い出せた彼は、枕元に置かれた時計に目をやる。
 05:15。まだ早い。
 遅れては意味がないからと早めに行動したが、それは考えなしだった、と彼は少し反省する。この至近距離に座りこんでしまったので、少しでも物音をさせれば、彼女の眠りを妨げてしまうだろう。
 日々忙しく働く彼女の貴重な睡眠時間を邪魔するわけにはいかない。
 だから、大人しく待っていようと思ったら、寝顔をじぃっと、それはもうじぃっと見つめてしまって・・・・・・再びはっと気がついたら、今度はかなり身を乗り出してしまっていた。そう、それこそ、彼の唇が彼女の頬に触れてしまいそうなほどに。
「!?」
 気配に敏い彼が無言の動揺を感じとって斜め後ろに視線を送ると、文机の上に置かれた氷鉢から身を乗り出した少女の形をした小さな付喪神が、口元を手で押さえて目を丸くして、彼を見つめていた。
「・・・・」
「・・・・」
 しばし見つめ合った後、若き付喪神は、驚いたことを詫びるように頭を下げて、口元を覆っていた手を目の上に移動した。所謂、我見ざる、のポーズ。別名、私は何も見ていませんからどうぞお心のままに続きをなさってくださいませ、のポーズ。そして、これは、ほんの少しだけ空いている指の隙間からばっちりしっかり見ようとしているポーズでもある。
「・・・・・・・・・」
 仕える主に似て大変わかりやすい付喪神の振舞いに毒気が抜かれて不埒な衝動が霧散した彼は、何事もなかったかのように身を起こした。
 そして、待つこと10分。





 2012/01/11 05:29。
 目覚ましが騒ぎ立てるより1分だけ早く、彼は彼女に声をかける。
「おはよう!」
「んにゅ?にゃ?・・・・ふぇっ、り、リクっ!?」
「うん。ボクだよ。おはよう」
「おはようございますっ!えっ、でも、どうしてここに・・・・私もしかして寝坊しましたっ!?」
「違う違う。ボクが勝手に来たの。どうしても、お前が朝起きて1番最初に会うのはボクにしてもらわないと、と思ったから」
「え?」
「誕生日おめでとう!」
「えっ?」
「お前にお祝いを言うの、ボクが1番乗りだよっ!」


 まだ日が昇らぬ朝1番に目にしたのは、太陽のように微笑むあなた。
 ああ、そんな、胸の奥底まで光が差し込んでくるような笑顔を向けないでください。日夜膨らむ恋心を押し殺している雪女の目には眩しいのです。
 私は、光を遮るように、頭から布団を被って丸くなる。


「えっ!?二度寝するの?ダメだよ、起きて!せっかく、いつもの反対でボクが起こしたんだから、ちゃんと起きてよ!」
  
   
 布団を揺さぶる少年。更に丸くなる布団。文机の上に、小さなため息が漏れた。

【つづく】
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