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完売した本

●逢魔ヶ恋 A5 52p R18 500円
 ※完売しました。
33@.jpg

※R18指定本ですので、18歳未満の方のご購入はご遠慮ください。

 あらすじと本文見本は以下に入れておきます。
【あらすじ】

 百物語組との抗争が終わってからしばらく経った夜、「ボクを受け入れて」と手を引いたリクオに、つららは初めて抱かれた。
 それから幾夜身体を重ねても、主従の別を忘れはしなかったつららは、それでも、抑えきれない恋情故に甘い夢を見ずにはいられず。リクオに悟られないように必死で隠して、けれど、大切に温めてきた恋心。
 しかし、鵺との戦いが終わって1月経った今宵、リクオの部屋を訪れたつららは、こみ上げる切なさに耐えきれず霰の涙を零す。
 1月もの間求められなかったのだから、この恋はもう終わりなのだと思うのに、どうしても諦めきれなくて・・・・
 
 ※つらら視点が思い切りメロドラマですが、リクオ視点は残念なラブコメで、ハッピーエンドです!エロ多めに頑張ってみました。



【本文見本】

 あなたに抱き締められていたのはどれぐらいの時間だったのか、長かったのか短かったのか、ちっともわからない。
 苦しい時間は長く幸せな時間は矢のように過ぎると言うけれど、ならば、氷雪のこの身が溶けそうなほど温かく甘くて、なのに期待せぬように己を戒め続けなければならなかったこの時間は、早く過ぎたのか遅く過ぎたのか。
 いずれにしろその時間は終わって、あなたは胸元から顔を上げて、そっと、繋いでいた手を離した。私は、縋りそうになった指を、必死で押し留める。
 今宵、あなたに何があったのか、何を思ったのかは、私にはわからない。
 ただ、幼い頃から傍にいた私は、あなたにとっては下僕であると同時に姉のように気安い存在なので、だから、何か不安になることでもあって、人恋しさに私に触れたのだろう。幼い頃、悪夢を見た私が母の寝床に潜り込んだ時のように。
 ちゃんとわかっていたから、これ以上愚かな錯覚などせぬように、私は自分からあなたに背を向ける。
 もっと触れて欲しいと願う私の邪な想いを知ってしまえば、お優しいあなたはきっと気になさるだろう。だから、伝わってしまわぬうちに離れなければ。
「リクオ様、おやすみなさいませ・・・・月が、綺麗ですね」
 口にしてはならない言葉をたくさん飲み込んで、なのに、一欠片がぽろりと唇から零れてしまった。
視界が潤む。お若いあなたはご存知なかろうとわかっていて、過去の文豪の言葉を引用する私は、なんて未練がましい女なんだろう。
 これ以上余計なことを言う前に、もしくは、言葉の代わりに涙が零れてしまう前に、この場を去らねば。
 私は、出来れば自室にたどり着くまで、無理でも廊下に出るまでは泣かぬようにせねば、とそれだけを考えていたから、あなたが次に取った行動を理解できなかった。
 ぐい、と先程よりも強い力で引かれて、布団の上に転がる。
 えっ!?
 混乱したまま見上げると、覆い被さるような体勢になった主が、私を見ていた。
 この世の他のどの女でもなく、私を。

 私だけを。

「・・・・リクオ、様?」
 震える声で名前を呼ぶ。いつもは穏やかな印象を与える大地の色の瞳は、夜闇が映り込んだせいで、いつもより昏い色に見えた。
 夜の湖のような、奥底を見通せない色。
 灯りを好む人間の娘ならばその色を恐ろしいと思うのかもしれないが、私は妖怪なので怯みはしない。心も命も既に捧げているのだから、あなたが何を考えようと為そうと、私は受け入れついて行くだけだ。
 私はいつも思っている。あなたの役に立ちたいと。
 私はいつも祈っている。あなたが幸せでありますようにと。
 だから。

「つらら、ボクを受け入れて」

 そう言って落とされた唇を拒むことなんて、無理だった。





 初めて触れた他者の唇は熱くて、冷たい雪女は戸惑うばかり。
 我が身に何が生じているのかよくわからぬまま、ただ、傷ついているあなたを拒むことだけはしたくなくて、反射的に熱から逃れようとしてしまう身体から、何とか力を抜こうとした。
 全て、あなたのよいように。あなたのなさりたいように。
 けれど、口を開けと強請るように唇を舐められても、それだけは従うわけにいかなかった。
 雪女にとって、口吸いは特別な行為。
 唇を開いて舌を絡め、男が口吸いに夢中になったなら、その無防備な魂から精気を根こそぎ吸い取るのも、肺を凍らせて氷漬けにしてしまうのも、容易いこと。ぬらりひょんほどの大妖怪だとて、口吸いに溺れたならばどうとでも出来るのが、雪女という妖怪の畏れだ。
 そう母に教えられたし、何より本能として理解している。
 だからこそ、この点だけは抗った。 
 恋しいお方との口吸いなど、気持ち良くて思考が蕩けるに決まっている。蕩けた心が、不相応にもあなたを独り占めしたいだなどと願ってしまったら、うっかり、あなたを害してしまうかもしれないのだ。
 だから、身体の奥底がもっともっととはしたなく疼くのを押し殺して、身動ぎして枕に横顔を押しつけるようにすると、さすがに唇が外れた。一呼吸の間、覆い被さっているあなたの動きが止まって、怒らせてしまったかとひやりとするが、すぐに、懲りない唇が触れてきた。今度は、首筋に。
「ぁんっ」
 普段、家でも外でも冷気保持の為のマフラーで覆っているせいで、我ながら、首筋は刺激に弱い。
あなたが幼い頃は、私があんまりくすぐったがるのが面白かったらしくて、馬乗りになってマフラーを奪って首筋に温かい息を吹きかける、という悪戯をされたこともあったぐらいだ。なんて困った子。
 だけど、今のやり口の方が、もっと悪辣だ。

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