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完売した本

●西ノ暁 東ノ黄昏 A5 84p 800円 
 ※完売しました。
32@.jpg

 あらすじと本文見本は以下に入れておきます。
【あらすじ】

 奴良組三代目を襲名して一月ほど経ったある朝、何故か、リクオが、昼姿・夜姿・幼い頃の姿の3人に分裂した!?
 3人とも本人なので組の妖怪たちはさして気にせず受け入れるものの、本人たちは、つららを取り合って喧嘩してばかり。
 『奴良リクオ』は、つららから、何より誰より1番に愛されていないと気が済まないのだ。
 姦計を弄する昼の『リクオ様』、大胆不敵に行動する夜の『三代目』・幼児の特権を最大限に利用する幼い『若様』に、つららはいつも以上に振り回されて・・・・

 ※全力でラブコメです!子若が特にやりたい放題。登場キャラ多め。つららはどのリクオも大好きですが、幼児の愛らしさに翻弄されています。



【本文見本】

 こうして、大変不可解な現象が生じて、原因も元に戻る方法も判明していないというのに、なんとなく一仕事終わったような空気になって、皆は朝の準備に取り掛かる。
 本日は平日で学校があるはずだが、さすがの異常事態に『リクオ様』は学校を休むと決めたので、朝食の準備が終わるまで二度寝をしようと思った。
 『三代目』は、夜姿で朝日を浴びるのは慣れない為に身体がかったるくて、朝は食べずに寝ていようと決めた。
 こんな時間に起きることがなくてさっきから眠かった『若様』は、当然、二度寝するつもりだった。
 そこで、問題が生じたのだ。
 誰がどこで寝るか、という問題が。
「・・・・えーと、どっかから布団をもう二組もらってきて敷く?」
「それは狭ぇだろ。お前、諦めて起きてろよ。オレ、夜はお前に布団譲って起きとくから。チビは・・・・」
「だからチビって言うな!ボクは別のとこ行くから、この部屋はお前たちの好きに使えばいいよ」
「えっ?で、ですが若様・・・・」
 いつものように朝餉の支度に向かおうかとも思ったが幼いリクオが手を離してくれないのでこの場についてきたつららは、おろおろと3者を見比べた。
「引き出しも箪笥も、こいつらの物が入ってるんだろ?ボクの着替えとかは、これから用意しないとここにはないんだろ?だったら、この部屋はボクの部屋じゃないよ」
 勝ち気に口を尖らせながらもしょんぼり俯いて、幼いリクオが言う。つららの胸が、きゅんと疼いた。
 13歳のリクオにとってこの状況は「自分が増えていた」というものだが、まだ5歳のリクオにとっては「8年後の世界に来てしまった」ということなのだ。奴良家は現代では珍しい程物を大事にする家風だが、それでも、8年も経てば細部はイロイロと変化している。特に、リクオの部屋は、小学生から中学生へ進学したこともあるし、大きく変貌しているはずだ。
 奴良リクオは、たった13歳で成人とされる妖の血を引くせいか、早熟で敏い子供だった。
 だから、この状況を理解はしているのだろう。だが、寂しさを感じないわけはないのだった。
 膝立ちになったつららが、幼子を包み込むように抱きしめた。
「若様、つららからお願いがございます。至らぬこともあるかと思いますが、精一杯おもてなしさせていただきますので、どうぞ、つららの部屋にお越しくださいませ。つららの部屋を我が部屋とお思いになっておくつろぎくださいませ」
 愛しさが滴るような声で誘われた子供は、俯いたまま柔らかい胸にすり寄って、小さな手できゅっと着物を掴んだ。
「・・・・お前がそんなに言うなら、行ってあげる」
 その言い様がなんとも可愛くて微笑ましくて、つららはくすくす笑った。




 というわけで、つららと幼いボクが去っていく後ろ姿を為す術も無く見守った後、部屋に残されたボクは呟いたんだけどさぁ。
「・・・・あれ、計算してたよね」
「・・・・我ながら、打算的であざといガキだな」
 ぐぐっと眉を顰めて、夜も呟く。
 客観的にはいじらしい子供に見えたかもしれないが、あいにくこちらは同一人物なので、相手の思考回路など丸わかりなんだよ。
 あの子が言った言葉に嘘は一つも無いし、事実寂しさは感じたんだろうけど、それを利用してつららの同情を引き自分が欲しい成果を得ようとするのが、なんとも・・・・・なんて言うか、強かというか、ね。
 ボクは、8歳の時に初めて夜姿への変身を果たしてから4年ほど反抗期になって、家の皆にたくさん心配をかけて、今となってはそのことを反省していた。だけど、今、ボクは、自分の反抗期の存在を肯定したいと思う。
 衣食住の大半を世話になっておきながらおこがましいけど、それでも、ベタベタに甘やかされていた以前に比べたら、自分のことは自分でしよう、甘やかしを甘受するまい、と意地を張ったあの期間があったからこそ、ボクは、今見せつけられたあのあざとさを手放せたのだと思うから。
 そう思いながら夜を見ると、相手も同じことを考えたらしく、ピッタリ重なるタイミングでため息が零れた。
 奴良リクオは、時々勘違いされるが、二重人格者ではない。
 昼と夜とでは姿だけではなく言動も違うが、それは、普通の人でも、学校など公共の場の自分と自室に1人でいる時の自分、酔ってない時と酔ってる時などで、言動が異なるのが強くなったもの、と自己解釈している。
 だから、二日酔いで目覚めた朝に、夜の自分の調子に乗った行動を苦々しく思い返すことはあっても、なんで飲み過ぎたのかを思い出せないことは(今はもう)ないし、腹立たしくはあっても違和感は無いんだよ。
 ・・・・・・昔の自分、甘やかされ大王なお坊ちゃまのことは、他人だと思いたくなるけど。
「・・・ボク、眠気なくなった。着替えたら出てくから、寝てていいよ」
「・・・おう」
 こんなふうに、初っ端から前途多難な感じで、ボクが3人いる生活はスタートするのだった。
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