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鶴に願いを(前)

 ぬら孫 リクつらss。
 
 リクオ様のお誕生日祝いss・・・・・・・のつもりです。
 すいません、間に合わずに前後編になりました。後編は、明日UP予定。
 そして、当社比1.5倍ぐらいに残念なリクオ様です。
 大変に、残念です・・・・・・・・

 リクオ様が残念でも許容してくださる方のみ、以下をご覧くださいませ。
「きゃああぁあぁ~~~っ!」
 私は叫んだ。
 肺活量限界まで、思いっきり叫んだ。
 そりゃ叫びますよっ!なんですかコレっ!?
 何故こんなことになってるのかはさっぱりわからないけれど、とりあえず、朝は普通、・・・ううん、素敵な感じでした。
 だってだって、今日はリクオ様のお誕生日なんです!1年で1番記念すべき素晴らしい日ですっ!
 昨夜は夜更かしの多いリクオ様にしては珍しく日付が変わる前にお休みになったから、お誕生日のお祝い1番乗りは、起床係の私の特権。だから、わくわくしながら起こしに行ったら、反対に布団に引っ張り込まれて・・・・・キスされちゃいました。
 もうっ、リクオ様ったら悪戯っ子なんですから・・・・・・1つ大人になられたリクオ様からもらった最初のキス、て思うとすごく嬉しかったですけど。
 その後、朝ご飯の席で皆からお祝いを言われている姿を見て、雪女なのに胸がぽかぽか温かくなりました。
 ふふふ、幸せ♪
 リクオ様が産まれてから毎年お誕生日をお祝いしてきましたけど、あどけなくて可愛らしい幼子が立派な三代目に成長なさっても、いつまでも飽きることなく幸せです。
 来年も10年後も100年後も1000年後も、この先時が流れていろんなことが変わっても、ずっと、こうしてリクオ様のお誕生日を皆で祝いたいなぁ、て思って。
 思って・・・・・えーと、それからどうしたんでしたっけ?
 あ、そうそう、夜はもちろんお誕生日パーティー(という名の大宴会)があるから、その準備をしようとしたんですよね。今年のケーキはリクオ様のリクエストでアイスケーキなんですけど、これは昨日作っておいたから、お料理の下ごしらえをしようとして・・・・・・・そこで記憶が途切れて現状に至っているわけです。

 
 見慣れぬ台所(ていうかキッチンと呼ぶべき代物)に、裸エプロンで立っている、という状況に!!!


 なななななにが起こったんでしょうかっ!?
 私、こんな場所につれて来られた覚えも、服を脱がされた覚えも無いんですけど!?
 パニックに陥ってあわあわ言いながらも、ぴかぴかに磨かれた流しに映った自分の姿を確認します。

 首のマフラー → 無し。
 着物 → 無し。
 長襦袢 → 無し。
 肌襦袢 → 無し。
 足袋 → 無し。
 ふりふりのピンクのエプロン → 装着。
 もこもこのピンクのスリッパ → 装着。

「何でぇぇ~~っ!?」
 何遍見ても、やっぱり、いかがわしい書物などで見かけるような格好をしている自分に、納得がいきません!
 私は、露出に慣れていません。夏でも、己が発する冷気を閉じ込める為に厚着をしていて、普段晒す肌は、顔と指先程度。家事や戦闘の時でも、せいぜい、襷を掛けて肘を出すぐらいです。
 人間に変化した時でも、制服のスカートは膝丈にして、私服はタイツやレギンスや手袋やアームカバーなどを装着して、露出をカバーしています。
 戦闘中に転んでも、敵に捕まって吊り下げられても、足首が見える程度。制服で戦った時には、さすがに、一瞬、太腿の半ばまで晒してしまったようですが、下着を見られるなんてことはありませんでした。
 私は、露出担当ではないのです。
 毛倡妓は元々胸が半ばまで見えていますし、陰陽師娘は服を破られたり入浴中に襲われたりするし、淡島や羽衣狐は全裸を晒したりしていましたが、私がこれ以上人前で露出することは、今後も、きっと無いでしょう。
 夜の閨でリクオ様に見られたり触られたりはしていますが、それは、障子の向こうの月ぐらいしか灯りがない場所でのこと(まぁ、夜のお姿は妖怪なので、人間よりずっと夜目が効くとは思いますが)。
 リクオ様のお部屋で夜を過ごしてしまった時は、リクオ様がお目覚めになる前に、あっちこっちに散らばった服(何度放り投げないでくださいとお願いしても、聞いてくださいません)をかき集めてそそくさと身につけ、皆が起き出す前に自室に戻ります(たまに失敗して朝からもう1回、なんてことにもなりますが)。
 ですから、明るい場所で肌を晒すのは、慣れてないんですよ~っ!
「ふ、服!何か、服っ」
 私は、動揺しながらも、人間への変化を試みました。
 妖怪から人間、人間から妖怪への変化は、瞳と服が変化します。これ、やってる本人が言うのもアレですが、服がどこから出てくるのかよくわかりません。でもまぁ理屈なんか今はどうでもいいので、制服姿に変化しようとして・・・・・何故か変化出来ないんですけどぉっ!?
 ならば、人間姿から妖怪に戻る時の感覚で服だけ変化とか、と思ったけれど、これもうまくいきませんでした。
 更に焦った私は、あたふたと周囲を見回します。
 キレイで、広くて、使い勝手が良さそうなキッチンですが、今はそんなのどうでもいいです。万が一、と思って戸棚や冷蔵庫を開けてみると、食器も調味料も食材も完備されていましたが、今の私に必要なのは服(百歩譲ってバスタオル的な物)です。
 ど、どうしよう・・・・!?
 と、おろおろしたところで、答えは1つしかありませんね。はい、そうです。変化で服が出せないしこの場所にもないのだから、別の場所に探しに行くしかない、ということです。
 でも、あの、この恰好で歩くのは、誰も見ていなくても背面が心細くて居たたまれないし、誰かに万が一見られたら即殺レベルで恥ずかしいのですが・・・・・・他に方法はないですよ、ね。





「・・・・誰かいます、か?」
 台所の入口で問いかけ、耳を澄ましました。防音がしっかりしているのでしょう。大変静かです。
 うん、気配も無い。
 よ、よし。なら、探しに行こう。
 もし誰かが通りがかったら風声鶴麗で凍らせよう、と思いながら、壁に背中を押しつけるようにしてそろそろ横歩きで短い廊下を歩いてみます。カーテンがあればそれでいいから身体に巻きつけたいのに、窓にかかっているのはブラインドでした。
 ううう、腕や足が、なにより背中とお尻がすーすーして心許無いですぅ。
 まったく見覚えが無い場所ですが、どうやら、綺麗で広い上等なマンションの1室のようです。家具は揃っているのに生活感がないので、モデルルームのような印象を受けますね。
 中に人がいたら問答無用で凍結、と思いながらもビクビクしつつ扉を開けてみると、立派な皮張りのソファや磨きこまれたマホガニーのテーブルがありました。が、やっぱり、テーブルクロスの1枚もありません。
 心細いことこの上ない背面(とくにお尻)をなんとかして隠したいのに・・・・・
「ま、まだよ!お風呂場に行けばタオルぐらいあるでしょうし、寝室ならクローゼットもシーツもあるはず!」
 挫けそうになった心を励ます為に、ぐっと拳を握りしめて呟くと、その拳が温かく大きな手で包まれました。
 ふぇ?
「風呂は終わった後にしようぜ。寝室なんて行くなら、早々に食っちまうぞ。その前に、昼飯作ってくれよ」
「きゃあぁぁあ~~~っ!!?」
「おっと、危ねぇ」
 振り返った私が咄嗟に吐いた呪いの吹雪(即殺レベルの気合の入った風声鶴麗)を、見事鏡花水月で回避なさったのは、私の主様であるリクオ様でしたっ、てどういうことですかぁっ!!?






「リ、リリリリクオ様っ、ななな何を!?というか、ここどこですか!?何が起こっているんですかっ!?」
 私は、リクオ様に詰め寄りました。リクオ様は、何故か、夜のお姿では珍しい程の笑顔です。
「この状況は、千羽様と置行堀の畏れで作られてる。ここは一応、現実に存在している場所らしいが、詳しくは知らん。都内某所のウィークリーマンションとは聞いたが。千羽様が、『過程を省略する』能力でこの状況を作り上げ、置行堀が、『条件が満たされない限り内から出られない』能力でこの場を封じている」
「千羽様!?置行堀!?な、なんで!?」
 リクオ様が説明してくださいましたが、私にはさっぱり意味がわかりませんっ!
 千羽様は知っています。奴良組の土地神で、四国妖怪が襲撃してきた時にはシマを荒らされたとか、鳥居さんを助けてくれたとか、聞きましたから。千羽鶴に託された祈りを力として願いを叶える方だそうです。
 置行堀は、奴良組の傘下の妖怪だったはず。場を支配する系統の妖怪で、彼女の畏れの世界に足を踏み入れた者は何かを差し出すか、いっそ彼女を倒すかしないと、脱出できなかったはずです。
 この2人の棲み処はどちらも浮世絵町の近くだったはずですが、特に交流はなかったはず。なのにどうして?というか、私たち、今、封じられているんですか!?
 千羽様と置行堀は敵で、この状況は敵の策略によるものなのかも、と私が息を飲むと、リクオ様が落ち着かせるように髪を撫でてくださいました。
「落ちつけ。危ないこた何もねぇから。あいつらは、黒とかから頼まれて、オレの誕生日を祝ってくれてるだけだ」
「へ?黒?お誕生日祝い、ですか?」
 リクオ様のお誕生日祝いということは、何か、この状況がリクオ様にとって善きモノであるはずです。ですが、私には見当がつきません。都内某所のウィークリーマンションに、まだお昼だと思うのに夜姿のリクオ様と私を封じて、どうしたいのでしょうか?
 さっぱりわけがわからない私が小首を傾げると、ぐいっと私の腰を抱き寄せたリクオ様が、夜姿にはあり得ない程の朗らかな笑顔でこうおっしゃいました。

「裸エプロンなつらら、がオレへの誕生日プレゼントだ」

 そうおっしゃりながら、剣だこのある大きな手が無防備な私のお尻を撫でてきてっ!!!? 
「きゃあぁぁあ~~~っ!!?」






 思わず吐いた吹雪は、またしても鏡花水月で回避されました(どんだけ臨戦態勢なんですか、リクオ様)。
 そして、ゆらりと姿を揺らめかせたリクオ様は、今度は、後ろから私を抱きしめました。
 悪戯な手がエプロンの上から胸に当てられているので、ぺしぺしを通り越してべしべし(かなり本気)で叩くのですが、手を下ろしてはくれません。
「こらこら、暴れんな。観念しろ、オレの誕生日プレゼント」
「観念なんかできませんっ!手を離してくださいっ!」
 いっそ吹雪を吐いて不埒な手を凍らせてやろうかと思ったのですが、この状況のあり得なさとバカバカしさに息が乱れてどうにもままなりません。だって、さっきいきなりリクオ様が現れたというのは、つまり、明鏡止水で姿を隠して最初から私を見ていたということでしょう?この悪戯っ子は、慌ててうろたえる私を見て笑いをかみ殺していたに違いありませんっ! 
 なんて困った方!育てた人の顔が見てみた・・・・て、お育てしたのは私ですぅっ!
 ううう。これも自業自得って言うんですか?ああもう、私に出来るのは、涙目になりながらもじたばた暴れて、不穏な動きをする手をべしべしと叩くことだけです。
 しかし、私の育て方が悪かったのか、リクオ様は私の抵抗など意に介さずにご機嫌な声でこう囁きます。
「やっぱイイな、裸エプロン。定番の白とピンクとどっちが、と考えたけど、お前普段の服が白だし、肌も思いっきり白いから、ピンクで正解だな。雪白の肌にピンクが映えて、エロいぞつらら」
「やぁっ!揉まないでぇ!」
 好きで好きで仕方がない方に卑猥なことを耳元で言われて、エプロンの布の上からむにゅむにゅと胸を揉まれては、力が入らなくて、もう、手を叩くことも出来なくなっちゃいますよぅ。なんとかして逃げたいのでもがくけれど、鍛え上げたリクオ様の拘束は完璧で、身をくねらせることにしかなりません。はうぅ。
 せめてもの抵抗として、私はイヤイヤと首を振るのですが、ノリノリのリクオ様はあっさりと無視なさいます。
「オレの夢だったんだよ、裸エプロン。でもなぁ、うちじゃあ実行すんのは難しいだろ?自分の部屋で夜に着せるぐらいなら出来ただろうけど、それじゃ、コスチュームプレイの楽しみを半分も味わえねぇよ。裸エプロンってのは、こう、いかがわしさがないはずの明るい部屋で、不自然なエロい恰好で、飯作ってもらったり食べさせてもらってこそ、だよな。けど、朝でも昼でも夜でもうちには妖怪がうようよいるし、いっそラブホでって言うのはなんか違うし、と思って諦めてたら、黒たちが気を利かせてくれてな。で、『このシチュエーションを作り上げる』過程を千羽様に省いてもらった」
「リクオ様ぁっ!・・・やんっ、ダメですぅっ」
 私がお育てした若様は、いらぬ方向にとんでもない成長を遂げてらっしゃいます!布の上から親指と中指で乳首を摘んだ挙句、人差し指で先端をくりくり弄るなんて、反則過ぎますよぅっ!
 とりあえず、ここから解放されたら、千羽様の社を氷漬けにして黒は殺そう絶対殺そう、と思いながら、私はリクオ様の腕の中で身を捩ろうとします。
 すると、リクオ様はマフラーがないせいで露わになっている首をつーっと舐めてこられて・・・・・私の可愛い若様はなんでこんなふうに育っちゃったんですかぁっ!?
「千羽様が、この願いを実現させる為の畏れを篭めた千羽鶴を置行堀に差し出すことで、置行堀がこの場に干渉できるようにした。その上で、千羽様が過程を省略して、置行堀に畏れをチャージしてパワーアップさせる。変則的な力の使い方が出来るぐらいに、な。で、お前の着てた物一式を置行堀に預けたわけだ。どういう状況かわかるか?ここはもう、置行堀の畏れの法則に支配されてるからな、さっき試そうとしてたみたいだが、変化しても服は出てこねぇし、この部屋に服的な物は何もねぇぞ。お前が、服を着てここから出て行きたいと思うなら、方法はただ一つ!」
「ふぇ?」
 こんな恥ずかしくて仕方がない恰好で、好きな方に後ろから抱きしめられた挙句(エプロンの上からとはいえ)胸を揉みしだかれては、正常な思考力は保てない。私にわかるのは、布の上からじゃなく直接触って欲しいような気がしてきた自分が危ういということと、後で置行堀の池を凍結させなくちゃ、ということだけ。
 間抜けな声を出しながら、のろのろとお顔を見ようと上を向くと、頬っぺたにちゅっとキスされました。
 そして、私がお育てした愛しい愛しい若君は、ドヤ顔でこうのたまったのです。

「この恰好のまま台所で料理して、羞恥心的な、女としての大事な何かを差しださねぇと、着物は返ってこねぇからな!つらら、オレ、ドリアが食いたいぞ!」

 ・・・・・思わず雪山殺しを放った私に、きっと罪はありません(これ、訴えたら勝てるレベルですよね)。




【どこまでもリクオが残念なまま、明日に続く】
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