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ラプンツェル脱獄

 ハリーポッターで、ハリハー。

 髪を長く伸ばしていたの。いつも編んでいたわ。
 『いつかこの髪を伝って王子様がやってくるわよ』て、ママが言ってたから。
 

 櫛で髪を梳きながら呟くの。
 「王子様、王子様、どんな人?」
 指で髪を分けながら囁くの。
 「王子様、王子様、どこにいるの?」
 そして、髪を編みながら歌ったわ。
 「王子様、王子様、早く来て?」

 王子様、カッコいい人だといいなあ。


 でもね、王子様来ないの。
 私の髪が長く長く伸びて、私の三つ編みが長く長くなって、それでも王子様来てくれないの。
 何処の誰かも知らない王子様、早く早くココへ来て?

 呟き声は風に紛れて。
 囁き声は風に掻き消され。
 歌声は風に飲み込まれる。

 王子様は、来ない。



 高い塔の窓から、外を見渡してみた。空は高く、地面は遠く、世界は広い。
 私は腰にナイフを提げて、三つ編みを窓辺の杭に引っ掛けた。
 何処の誰かも知らない王子様、あなた遅過ぎ。
 私、待つのはもう飽きた。
 あなたがカッコいいより、私がカッコいい方が、いいわ。
 
 カッコいい私は、編んだ髪をロープ代わりにして、そろそろと塔を降りていく。手の皮をボロボロにして地面に降り立ったら、腰のナイフで髪を切った。
 
 王子様、あなたもういらないわ。


 「ハーマイオニーってカッコいいね」
 怖がるクラスメイトの代わりに虫を窓から投げ捨ててあげたら、この賞賛。私はツンと顎を逸らして得意がる。
 「ありがと」
 そんな私を面白そうに見てるあなた。
 他の人がいなくなった隙に、私の髪に触れた。休み前より幾分短くなった私の髪。
 「僕、遅刻しちゃったかな?」
 黒髪に眼鏡の王子様が、私に囁く。
 私はあなたの髪に触れ、囁き返す。
 「今度はあなたが髪を伸ばしなさいよ。そして、編むの。私が高い塔を登ってあげるわ」
 「・・・・・君は遅刻しない?」
 「ええ、助けてあげるわ。お姫様」
 私たち、おでこをくっつけて笑った。




 ねえママ、私、今度は王子様になるわ! 
 
 
【終】

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