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にほふより春は暮れゆく山吹の花こそ花のなかにつらけれ

 山吹乙女の元ネタは山吹伝説でしょうね。
 で、名もなき幽霊に鯉半様が山吹乙女の名を与えたということは、二人の出会いは、こんな感じでしょうか。


①今日も今日とてふらふらほっつき歩いていた奴良鯉半、にわか雨に合い、あばら家の軒先を借りる。あばら家の裏手には、雨に濡れた山吹が咲き誇っていた。

②あばら家に住まうは、恋も知らずに早世した美しい娘の幽霊。名もなき彼女は、死した後も此岸に留まり続ける我が身の不思議を静かに受け入れ、化け物屋敷の小妖怪たちとひっそりと暮らしていた。
 裏口から聞こえた物音に、娘幽霊は戸口を潜ると、そこには一人の美しい男がいた。

③鯉半は、奥から出てきた娘幽霊の美しさに見惚れながら、「悪ぃな、お嬢さん。雨に降られちまった。ちょいと蓑でも貸してくれねぇか?」と話しかける。

④娘幽霊は、突然現れた美丈夫に驚きながらも蓑を貸してさしあげたいと思うが、侘びしきこのあばら家には蓑すらありはせぬ。幽霊とはいえ若い娘のこと、我が身の侘びしさを口にするを恥じて、山吹伝説の故事に託して山吹を一枝手折り、そっと差し出す。

⑤風雅を愛するぬらりひょんの倅である鯉半は、すぐに娘幽霊の意図を解し、その楚々とした振舞いに心惹かれる。
「なら、雨が止むまで雨宿りさせてもらってもいいかい?」

⑥にわか雨が止むまでの一時、心弾ませて語らう二人。娘幽霊は、生前でもこれほどに胸がときめくことなどなかった。

⑦翌日、昨日の男の面影が忘れられず山吹の花を眺める娘幽霊の前に、再び男が現れる。
「昨日はありがとさん。礼と言っちゃなんだが、この蓑と傘をもらっちゃくれねぇかね?雨に濡れる山吹も美しいが、あんまり雨を浴び過ぎちゃ花が萎れちまいそうで、気が気じゃねぇからさ」「山吹?」「そう、お前さんのことだ。お前さん、昨日、名が無いって言ってたろ?だから、一晩考えたんだが、山吹乙女でどうだい?」「妾の名前・・・・」「気にいらねぇかい?」「いいえっ。いいえ!鯉半様!」
 人は名によって己と他者を区別出来る。天土の気が凝った妖は、名を得ることで、己の存在を確立する。故に、己がこの世に在る理由もわからなかった名も無き娘幽霊は、この時、山吹乙女という名を得て、妖として生まれ変わったのである。
 
⑧やがて、幾度かこの化け物屋敷へ通った鯉半は、ある日、海岸に山吹乙女を連れ出して、こう告げるのであった。
「一緒になるぞ。一生・・・ついて来るんだ」
 鯉半によって花開いた美しき山吹を、雨も無いのに濡らすは、嬉し涙。悲しき別離に朽ち果てる未来も知らず、山吹は今を盛りと咲き誇る・・・・


 
 ・・・・わかっていたけど切ない感じになりますね。
 タイトルを、『にほふより春は暮れゆく山吹の花こそ花のなかにつらけれ』とかつけると、余計に・・・・・ 
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