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噂の二人

 ぬら孫ss。高校生になったカナちゃん視点のりくつら。

 次世代妄想は、リクオが高校卒業と同時に籍を入れて、それから長男が産まれて、と考えているのですが、今回はそれとは違う設定のアナザールートです。
 旦那様は15歳ルートというか。

 では、以下へどうぞ~。
「カナちゃんは、彼氏いるの?」
 尋ねてきたのは、入学式で隣の席に座って仲良くなったリカちゃん。
「いないよー」
 4月も末になると八重桜も終っているけど、高校生としての新しい人間関係はまだ始まったばかりで、会話もまだまだ手探りな感じ。
 今日は、もう一人仲良くなったクラスメイトのいづみちゃんと一緒に、新しくできたショッピングモールをぶらついていた。
 女性にターゲットを絞って開発されたこのショッピングモールは、扱うジャンルが幅広い。ハードでクールなお姉さん向けファッションのお店もあれば、スイーツみたいに可愛いベビーグッズを取りそろえたお店も、高級ジュエリーや上品な呉服屋さんもあって、一方ではゲームセンターや大きな本屋さん、映画館まである。
 食べ物も充実してて、いろんな国の料理が楽しめる上に、有名店が出店してるから、スイーツのレベルがとても高いの。
 ここは、女の子なら楽しめること間違いなしなスポットだし、それに、一緒に歩いていると、お互いの趣味がよくわかる。ふわふわした柔らかいイメージで私服もシフォン素材のブラウスにフレアースカートのリカちゃんが、ヴィジュアル系バンドの大ファンだったのには、ちょっと驚いたしね。
 中学の人間関係って小学校からの延長の部分が大きかったけど、高校はほとんどが新しく出会う相手だから、自分が相手のことを知らなくて、相手も自分のことを知らないのが、なんだか新鮮な感じがするよね。
「でも、好きな人はいるんだよね?だから、モテてるのに告白にOKしないんでしょ?」
 いづみちゃんは、私服はトラッドだけど、意外に恋話が好きみたいで、噂とかも詳しい。一昨日私が校舎裏に呼び出されたことを、もう知っているみたいだ。 
「モテてなんか、・・・・珍しがってるだけだよ」
 謙遜なんかじゃなくて、本当にそうだと思う。私は、中学の頃から読者モデルをしてるから、それで、ちょっと顔が売れていて、目を引いたんだろう。一昨日の人は、私個人を好きになったというよりは、彼が以前から持っていた「高校生になったらこんな彼女が欲しい」という像にたまたま私が当てはまった、という気がした。
 お試しでつきあってみる、というのがナシだとは言わない。十分にありだと思う。
 ただ、私はそうしたいと思わなかった。それだけのこと。
「そんなことないよー。で、誰?うちの学校の人?」
「いないって、そんな人」
 いづみちゃんが左腕に絡みついてきたけど、こういう会話には不本意ながら慣れてしまったので、私は、軽く笑ってあっさりかわそうとした。
 だけど、今日は逃げ切れなかった。私の右腕を捕まえたリカちゃんが、彼の名前を出したから。
「嘘~っ!あ、もしかして、クラス委員の奴良君?幼馴染なんだよね?」
「おお、幼馴染フラグ!なになに、仲良しなの?」
 両側から詰め寄られて、私は、一瞬言葉に詰まる。
 話題に上がったのは、奴良リクオ君。
 皆からの頼まれ事や雑用を引き受けて、クラス委員までこなして、早くも「良い奴」と評判の彼は、私にとって、一番親しい男子、ではある。
 だけど・・・・・・・
「小さい頃は仲良かったかもだけど、もう高校生だし。普通に友達だよ。確かに、クラスはずっと一緒で、中学の時は部活も一緒だったけど」
「ずっと一緒のクラス!?その上部活も一緒なんて、それは、カナちゃんが何とも思ってなくても、奴良君は何か思ってるって!高校も同じとこいって、またクラスも同じなんだし、カナちゃんこんなにカワイイんだしさ」
「だよね~。それは、何かあるよね~」
「ないよ~。これまで何もなかったんだし」
「ええ~?中学校って、中学受験しない限りは小学校の延長って感じがするから、奴良君も自覚してなかったかもだけど、高校生になって、新しく出会った人に囲まれたカナちゃんを見て、ずっと傍にいてほしいと思う自分の気持ちを自覚するんじゃないの?」
 いづみちゃんの言葉に、なんだかドキっとしたけど、私は咄嗟に表情を取り繕う。
「そんな、少女マンガじゃないんだから」
「いいじゃん、少女マンガ!カッコいい先輩とかに告白されるカナちゃんの姿を見て、奴良君が焦るんだよね?で、今まで気づかなかったけどホントはずっと好きだった、とか言ってきてさ」
「ないってば。それはないよ」
 リカちゃんも乗ってきたけど、私は首を振って否定する。一瞬、想像してしまったからこそ、必死で。
「なに~?奴良君のこと嫌いなの?」
「・・・嫌いじゃないよ。友達だもん。普通に好きだよ」
 そう、私たちは友達。これまでも、これからも。
 リクオ君は、優しくて親切で穏やかで、慣れていることもあって、一緒にいて居心地がいい。いざという時には決断力もあって、意外なぐらいに力持ちで運動神経もいいから、頼りにもなるし。
 大事な、私の友達・・・・・・・・それだけだよ。
「じゃあさぁ、今までずっとただの友達だった幼馴染に、ずっと好きだった、とか言われたらトキめかない?奴良君、結構カッコいいしさ」
 もしかしたら、リカちゃんといづみちゃんは、前から気になっていたのかもしれない。二人とも、教室では、こんなに恋話をしてくるタイプじゃないんだけどな。でも、私をサンドイッチする今日の二人は、何でか気合が入っている気がする。
 困って上方を仰ぐと、吹き抜けの大通りからは、各階に設置された段々畑みたいなイングリッシュガーデンが一望出来て、開放的な眺めだった。私の両腕は、逃がさない!とばかりに拘束されているけど・・・・・
「そうだね、奴良君、背はそんなに高くないけど、眼鏡取ったらわりと顔いいよね。それに、成績良くて、運動神経良くて、優しいし」
「中1の時に比べたら、背はだいぶ伸びたよ。リクオ君、おじいさんもお父さんも背が高かったから、たぶん自分も伸びるはず、て前に言ってた」
「おおーっ、じゃあ、結構条件いいんじゃない?家もお金持ちだとか聞いたし・・・そうなの、カナちゃん?」
「お金持ちかどうかは知らないけど、お家は大きいよ」
 ため息を一つ吐いてから、私は、諦めて、彼女たちの好奇心につきあうことにした。身近な人の秘密が気になる気持ちって、わからないでもないから。
 私は、幼稚園からリクオ君と一緒にいるけど、リクオ君には、大きな転機が2回あったと思う。
 1つは、小学校3年生の時。バスの事故の前は活発な印象だったのに、その後は大人しくて真面目な『良い奴』になっていった。確か、眼鏡をかけ始めたのもこの頃。
2つめは、中学1年生の時。ゴールデンウィークの後くらいからかな、1つめの変化ほど劇的じゃなかったけど、時々、とても大人びた印象を受けるようになった。
 身近にいる人、特に、中学では部活まで同じだった相手なんだから、変化したなと感じたら、なんだか気になって見てしまうでしょう?
 だから、私も、つい、リクオ君を観察しちゃったんだけど、・・・・なんか、謎が多いんだよね、リクオ君って。
 清継君のお金持ち度が度を越してたからあんまり目立ってなかったけど、何度か見かけた髪が長くてスタイルのいいお姉さんだけじゃなくて、他にもお手伝いさんが何人もいるみたいだったし。そう、清十字団でお邪魔したらいつも、廊下からたくさんの人の声が聞こえてきたんだよ。なのに、襖を開けても誰もいなくてさ。
 「家の都合」で休みとか早退とかも多かった。それに、時々、怪我してた気もする。
 そして、・・・・・・アノ娘との関係とか。
「いいなぁ、カッコいい幼馴染。王道で定番だよねー。奴良君も、カナちゃんみたいな可愛い娘がずっと傍にいてくれたなんて、嬉しいんだろうなぁ」
「・・・・リクオ君と私は、ホント、そんなんじゃないよ。それに、中学の時、リクオ君の一番近くにいたのは、私じゃなくて、別の娘だし」
 お正月の少し後から姿を見かけなくなって、どこの高校へ行ったのかもわからないし、結局どこのクラスなのか知らなかったけど、アノ娘のことはよく覚えてる。
 及川氷麗さん。
 小柄で、色白で、目がぱっちりしてて、綺麗な黒髪を長く伸ばしてて、寒がりなのかいつもマフラーをしていた彼女。
 同性の目から見てもすごく可愛らしい上に、幼馴染の私以上にリクオ君のことよく知ってて、ものすごく甲斐甲斐しくリクオ君に尽くしてた。とても一途に。
 一緒に登下校して、お昼もいつも一緒で、おまけに、お弁当は及川さんの手作り。休日に部活で集まる時とかでも、いっつもリクオ君に寄り添って、時々、顔を寄せ合って内緒話してた。
 及川さんは、リクオ君以上に謎だらけで自分のことはあんまり話してくれなかったけど、彼女がリクオ君を好きで好きで堪らないことは、誰の目から見ても明らかで。
 そして、たぶん、リクオ君もアノ娘が好きだった。
 リクオ君には、明確な線引きがある。
 彼は、本当に誰にでも親切だけど、逆に、人に頼ることはあんまりしない。人の代わりに引き受けてた日直の仕事とか、「手伝おうか?」と言っても「いいよ。大丈夫」とやんわりかわされちゃうんだよね。詰め寄っても、怒っても、懇願しても、ダメ。一定の線より内側には、入れてもらえない。
 だけど、及川さんだけは違っていた。
 及川さんだけは、最初から、リクオ君の内側の世界の住人だったんだと思う。彼女が「手伝いましょうか?」と言えば、リクオ君の返事は、「じゃあ、お願い。つらら」。
 及川さんは一途で過保護なぐらいに世話焼きで、そういうのを重いと言って逃げ出す男の子もいるかもしれないけど、リクオ君は、頑張り過ぎて無茶する及川さんを嗜めることはあっても、及川さんの気持ちをしっかり受け止めてた。
 リクオ君にとって、及川さんと一緒にいること、及川さんに好かれていること、は当たり前のことなんだ、と私たちにも伝わるぐらいに。
「・・・でも、奴良君は『彼女はいない』て言ってたよ」
「え?」
「一昨日、クラスで男子と話してるのが聞こえたの。それに、『じゃあ、片思いしてるとか?』て聞かれたら、『片思いもしてないよ』とも言ってたよ」
 リカちゃんといづみちゃんがなんで今日はこんなに盛り上がっていたのか、やっとわかった。聞こえてきたその会話で、一気に興味が膨れ上がっちゃったんだろう。
「だからさ、カナちゃんが言ってるその娘が奴良君とつきあってたとしても、今はもう別れたんじゃないの?」
「え?」
 考え難いことを言われて、私は目を丸くしてしまう。
 いや、実際の中学生の恋愛って、恋に恋して、みたいなとこ多いと思うし、別の高校行ったら別れちゃう、とかもよくあるだろうとは思うけど、・・・・・あの二人に限っては、ちょっとそれ想像し辛い。
 普通の中学生カップルが『ずっと一緒に』という言葉を使っても、それは、言い方が悪いかもしれないけど、幼稚園児が「大人になったら宇宙飛行士になる!」「アイドルになる!」て言うようなもので、ふわふわした感じがしちゃうと思うんだ。二人がその時、どんなに真剣でもさ。
 手を繋いで隣に立ってても、見えない霧の向こうのことを話してるみたいな、そんな感じ。
 だけど、リクオ君と及川さんの『ずっと一緒に』は・・・・・・えーと、変な言い方だとは思うけど、赤ちゃんが産まれた夫婦が「幼稚園はどこにしようか」「習い事は何させようか」とか人生設計を語ってるような、妙に地に足がついた感があったんだよね。
 まだまだ先でも、現在と地続きなのがはっきり見えてる場所のことを語ってるような感じが、あって。
「リクオ君が嘘吐いてた、とか・・・・」
 不思議なんだけど、リクオ君は、これまで何度及川さんとの関係を尋ねても、明言はしてくれなかった(どれだけ問い詰めようとしても、いつも、いつの間にか逃げられちゃうんだよね)。
 でもね、相合傘とか、「はい、あーん☆」とか、いつも隣に座って、手を繋いだり腕を組んだり、顔を寄せ合って内緒話したり、あそこまでやっといて、つき合ってないはずないと思う。というか、つき合ってなくてあの態度とか距離感とかだと、いっそわけがわかんないよ。
「あれ?良い奴って評判だけど、奴良君って嘘つきなの?」
「いや、そういうわけじゃないけど・・・・」
 私は言い淀んだ。我ながらはっきりしない物言いだけど、うまく言葉が出て来ない。清十字団メンバーなら、いや、同じ中学出身の娘なら、きっと、私の言いたいことわかってくれると思うんだけどな。
 リカちゃんといづみちゃんは、及川さんを、及川さんと一緒にいる時のリクオ君を知らないからなぁ。 
 さて、どう説明したらいいだろう?
 と、私が考え始めた時だった。噴水の前の白いベンチに座るその人に気がついたのは。
「・・・・及川さん?」





 女性受けを狙ったショッピングモールに設えられた噴水は、乙女に百合を差しだす天使の彫刻が飾られている(何かで見たことある構図)。小ぶりな噴水だけど、青いライトに照らされてて、清楚な雰囲気でイイ感じ。 
「ふぇっ?あ、家長さん?」
「あー・・・・お久しぶり、及川さん。元気だった?」
 約3か月ぶりに再会した及川さんは、トレードマークの縞々マフラーに、胸の下で切り替えがあるレースを多用した段フリルワンピースを着て、雪の結晶のモチーフ編みを繋いだカーディガンを羽織っていた。
 私に気づいて立ち上がると、ひらひらと、カーディガンとワンピースの裾が揺れる。
 あれ?及川さんって、ここまでひらひら系の服を好んでいたっけ?という疑問が頭の片隅を過ったけれど、及川さんがあんまりイイ笑顔(擬音で表現するなら、「ニコっ」を通り越して「ニパァァ」というか)になったので、口に出すことはなかった。
「はい!元気です!順調です!」
 順調?何が?
 と、やっぱり気になったんだけど、及川さんが時々よくわからないことを言う(リクオ君とゆらちゃんはわかってるみたいだったけど)のにはもう慣れていたし、両脇から声を掛けられたので、これもまたあんまり考えずに流した。
「カナちゃん、お友達?同じ中学の人?」
「中学で同じ部活だった、及川氷麗さんだよ。及川さん、こちら、同じ高校のリカちゃんといづみちゃん。私たち、今日はここに買い物に来たんだけど、及川さんもお買い物?」
「初めまして、香山さん、佐藤さん。氷麗と申します。どうぞ、お見知りおき願います」
 及川さんが、そう言って、マナーの教科書に載っていそうな見事なお辞儀をしたから、リカちゃんといづみちゃんはちょっと驚いたみたい。
 そう、及川さんって、携帯とか普通に使いこなしてるけど、なんか古風なとこあるんだよね。今時の女の子にしてはビックリするぐらい、行儀作法がちゃんとしてるというか。実はお嬢様だったりするのかな?
「あ、香山リカです。こ、こっちこそよろしくお願いします」
「佐藤いづみです。よろしくお願いします」
「私も、今日は、買い物に来ました。ここ、お店がたくさんあるから、楽しいですよね!」
 ベンチを見ると、中身がいっぱい詰まった大きな紙袋が二つ。紙袋からは、おもちゃみたいなのがはみ出してた。及川さんは一人っ子のはずだから、これはプレゼントかな。
「ねぇ、及川さんって、どこの高校に行ったの?私は・・・・」
「知ってます。家長さんは、リクオ様と同じクラスですよね?」
「・・・うん」
 何で知ってるんだろう?
「私は、高校は行っていないんです。一応、行くつもりだったんですけど、予定が繰り上がっちゃったので。あ、別に、繰り上がって嫌なわけではなく、むしろ嬉しいですけど!」
「そ、そうなんだ・・・・」
 及川さんは別の高校に行ったのだと思っていた私は、ちょっとしどろもどろになった。いや、高校は義務教育じゃないけどさ、普通は行くと思ってたから。うん、驚いた。
 何で行かなかったんだろ?『予定』て何だろ?
 聞いてはいけないことかもしれない、とも思ったけれど、及川さんが眩しい笑顔のままだから、悪い理由じゃない気がして、私は尋ねようとした。
 けど、その時。
「氷麗~、あんた、ソフトクリームは抹茶がいいの?バニラ?チョコ?わかんないから、全部買っちゃったわよ」
「好きなのを選べばいいよ。残りは私たちが食べるから」
 噴水の向こうから聞こえてきた声に、及川さんが振り向く。カールした長い髪が印象的なスタイルのいい美人なお姉さん(どっかで見覚えあるような)と、黒いマフラーをしたイケメンなお兄さんがソフトクリームを持ってこっちへ歩いてきた。
「きゃーっ美味しそう!ありがと!買ってきてもらったのに、私が選んでいいの?」
 あれ?
 及川さん、同級生の私たちにも敬語だったのに、年上のその人たちには敬語じゃないの?そういえば、時々、ゆらちゃんにも敬語使わずに話してた気がするけど・・・・リクオ君は『様』だし、及川さんの基準はやっぱり謎だなー。
 この人たちは、及川さんとどういう関係なんだろう?友達、にしては年が離れてるし、親戚とかかな。
「いいわよ。何せ、あんたは『大事なお方』で『大事なお身体』なんだし~。荷物持ち二人もつけるぐらいにさぁ。それに、買い物につきあうのも無理なぐらいお忙しいのに、この後、迎えに来てくださるはずだし~、ねぇ?」
 ナイスバディお姉さんがニヤニヤ笑うと、及川さんは真っ赤になって俯いて、カーディガンからちょこんと出てる細い指で口元を覆う。う~ん、及川さんって、見た目が可愛いだけじゃなくて、仕草も可愛いんだよね。こう、おしとやかな感じというか。
 そこで、イケメンお兄さんが、私たちに気づいた。
「こらこら、そんなにからかうなよ。ん?つらら?そちらは・・・」
「あ、いえ・・・及川さん、ソフトクリーム溶けちゃうし、私たち、行くね!また会おうね!バイバイ!」
「はい。ではまた、家長さん!」
 及川さんのプライベートにはすごく興味があったはずなのに、なんでだか居づらくなっちゃって、私は、リカちゃんといづみちゃんを引っ張るようにして、その場を離れた。
 ほら、今日はリカちゃんたちと遊びに来たんだから、及川さんにかまうのもおかしいし、ね。うん。





 日が暮れると、噴水の底に設置されたライトがチカチカと瞬いて、ロマンチックな雰囲気。
「よかったー。新刊あった」
 リカちゃんといづみちゃんと早めに夕食を食べた私は、駅へ向かう途中で二人と別れて、ショッピングモールを一人で歩いていた。
 いや、あのね、ここには大きな本屋さんがあるから、近所の本屋さんでは置いてないちょっとマイナーな作家さんの小説の新刊を買おうと思ってたんだけど、忘れてて、帰り道の途中で思い出したの。だから、一人で戻って買ってきたんだ。
 新刊は、無事にゲット。なので、後は駅に向かえばいいんだけど、何となく、私は、噴水の前で立ち止まった。4時間ぐらい前に、及川さんと出会った場所で。
 及川さん、相変わらず、雪みたいに色白で、黒髪もさらさらつやつやで、可愛かったな。
 最初からつきあってない、というのはあり得ないから、リクオ君の言う通りなら、別れちゃったのかな?高校に行かなかった事情絡みで何かあって、とか。
 うーん、でも、及川さんの感じを見る限り、高校に行かなかった理由は悪いものじゃなさそうだったし、それに、今日の笑顔は輝くようで、とても幸せそうに見えた。
 リクオ君中心に世界が廻っていそうだった及川さんが、リクオ君と別れて、あんなに幸せそうにしてるかなぁ?
 あ、でも、別れた理由が、及川さんに別に好きな相手が出来ちゃって、その人と上手くいってるから幸せそうだった、とかも・・・・・・・想像できないな、それ。
 そういえば、いつの間にか慣れちゃってたけど、何で及川さんがリクオ君を様付けで呼んでるのか、ていう謎も解消されてないんだよね。及川さんと別れた後、リカちゃんたちに尋ねられて、それでやっと変だって思い出したからなぁ。うーん、慣れって怖い。
 この分だと、慣れてたからついスルーしちゃった他の疑問もあるような気がする・・・・・  
 なんだか頭がぐちゃぐちゃになってきたので、気分を変える為に、ベンチに座って、鞄の中から取り出したペットボトルのお茶を飲んでみる。
 さっきは困ったけど、ホントは、リカちゃんといづみちゃんの気持ちがよくわかるよ。気になるよね。明日、学校で、リクオ君に聞いてみようかな。はぐらかされても、なんとか食い下がって・・・・
「あら、家長さん?」
 後ろから聞こえてきた声に振り向くと、噴水の向こうに及川さんと・・・リクオ君!
「カナちゃん、こんばんは」
「こ、こんばんは!リクオ君、及川さん」
 さっき見た荷物はあのお兄さんたちの物だったのか、及川さんは小さな鞄を一つ持っているだけで、リクオ君と手を繋いでいる。リクオ君は、教室で見る笑顔は『穏やか』って感じだけど、今は『朗らか』に笑っていた。
「家長さん、お友達は先に帰ったんですか?」
「うん。私だけ、忘れてた用事があったから、戻ってきたんだ。リクオ君はいつ来たの?」
「ボクは、用事があって、つららの買い物につき合えなかったんだ。さっき来て、晩ご飯食べ終わったところ。あそこの角のイタリアン、ラザニアがなかなか美味しかったよ」
 何それ?
 用事がなかったら、思いっきり女性向けなこのショッピングモールでの買い物につき合うつもりで、用事が終わったらわざわざやってきて一緒に晩ご飯を食べて、手を繋いで歩いてる、てそれはどう見ても彼氏彼女だよ!
「リクオ君、一昨日学校で、『彼女はいない』て言ったんだって?」
「あれ?カナちゃんその場にいたっけ?」
「人から聞いたの!いいから、質問に答えて!『彼女はいない』って、じゃあその手は何なの!?」
「リ、リクオ様・・・・・」
 及川さんがきゅっと眉を寄せる。
 もしかしたら、これは、及川さんの前で言ってはいけないことだったのかもしれない・・・・いや、違う!今日のこれだってどう見てもデートなんだから、リクオ君はいい加減はっきりさせるべきだよ。及川さんの為にも!
「いや、だって、つららは『彼女』じゃないし」
 なのに、リクオ君は、及川さんの手を握ったまま、あっさりとこう言い放つ。
 当然、納得なんかできない。
「幼馴染に嘘つくなんてひどいよ!これまでずっとはぐらかされてきたけど、今日こそは答えてもらうからね!」
「嘘なんかついてないよ。つららは、ボクの『彼女』じゃない。『お嫁さん』だから」
「え?」
 
 『オヨメサン』?

 今、耳から聞こえてきた言葉の意味が、よくわからなかった。
 えーと、私、何か聞き間違えちゃったみたい。リクオ君が『お嫁さん』なんて言ったみたいに聞こえちゃったよ。
「法律の問題で、まだ籍は入れられないけど、ボクが18歳になったらすぐ入籍するし、親戚とか集めて祝言は挙げたよ。だから、『彼女』はおかしいと思うんだ。つららは、ボクのお嫁さんだよ。それで、ボクの子供のお母さん」
 衝撃の事実を告げたリクオ君は、誇らしげな顔をしている。
 ・・・・私は、読者モデルをするようになってから、他の女の子から「ちょっと違う」みたいに言われたり扱われたりするようになった。でも、自分では、珍しいバイトをしているだけの普通の女の子だと思っている。感性とか、常識とかが、ちゃんと普通だよ。
 しかし、私の幼馴染は、全然全くちっとも普通でなかったらしい。
 そして、その隣に立つ彼女も。
「あ、あの、及川さん・・・・・・?」
「はい。その、さっきは言えなかったのですが、私が高校に行かなかった理由は、そういうことでして。今、5カ月です」
 自分のお腹にそっと撫でる及川さん(その服、マタニティドレスだったんだね)は、輝くような笑顔だ。擬音で表現するなら、『ペッカァァァ!』だろう。なんか、あんまり眩しくて、ちょっと正視し辛いよ。
「それって、できちゃった婚・・・・・」
 世間ではそういう言い方をすると思う。
 いや、あの、女性の就職率が高くなり晩婚化が進んだ現代では、成人したカップルの妊娠はいい結婚のきっかけになってると聞くから、この言葉にそんなに悪いイメージはないけど、未成年・・・ていうか私たちまだ高校生・・・ていうか妊娠発覚当初は中学生!、というのは、普通、スキャンダルなんじゃないかと思うんですけど、お二人さん!
 しかし、思いもかけなかったスキャンダラスな事実をあっさり白状してくれた幼馴染は、こちらも、幸せそうに微笑む。
「結果としてそうなるね。でも、別に、ボクが無計画だったわけじゃないから。出来るかどうかは授かりものだからわからないけど、作るつもりはあったから」
「そうだったんですか?」
「うん。鴉とかが縁談だの分別だのうるさかったから黙らせてやろうと思ったし、別の部屋で暮らすのもわけわかんないなと思ってたから」
 あのー、リクオ君、普通、この国の私たちぐらいの歳のカップルは、同じ部屋に住んでいないと思います。
「まあ、そうだったんですか。でも、私は、リクオ様と一緒に学校に通ってみたかったです。そうしたら、一日中ずーっと一緒にいられますし」
 及川さんが学校に行きたい理由はそれなのね。うん、まあ、わかってた。私も、及川さんの世界はリクオ君を中心に廻っている気は、すごくしてた。
「つらら、・・・・家で待ってるの寂しいの?」
 神さま、私の幼馴染は、いつの間にこんなに変わってしまったのでしょうか?
 リクオ君は、ここが人通りの多いショッピングモールの大通りだということをすっかり失念している様子で、すごく優しい顔して、聞いたことないほど甘い声を出して、『お嫁さん』の髪を撫でています。
 噴水を照らすライトは青いはずなのに、なんか、雰囲気がピンクです。
 そういえば、さっき、及川さんは自己紹介の前にリカちゃんたちの苗字を口にしたけど、それは、リクオ君から聞いてたからなんだろうなー。
「うぅ。だって、転ぶと危ないからって、荒鷲一家の手伝いも、家の洗濯物干しとか買い出しとか掃除とかもさせてもらえなくて、暇なんですもん。総会の時も、お酌どころか手伝いもさせてもらえないし。だから、編み物ばっかりしちゃって」
「このカーディガンも自分で作ったんだよね。似合ってるよ、つらら。それに、つららは、お弁当とか、ボクのご飯を作ってくれてるじゃないか」
「でもっ、でも、リクオ様の役に立つのが私の喜びなんです!もっとイロイロ・・・・」
 そういえば、及川さんは世話好きでマメで働き者だった。だから、自分の身体を心配してくれているのだとわかっていても、歯痒い思いをしていたみたい。大きな瞳が涙で潤んでる。
 今思い出したけど、さっき一緒にいたナイスバディお姉さんは、リクオ君の家のお手伝いさんだった。なら、イケメンお兄さんも、リクオ君の家で働いてる人なんだろう。
 ということは、リクオ君は、(まだ籍は入ってないけど)愛妻の買い物に自分ちのお手伝いさんを二人も荷物持ちにつけた、ということになるね。で、自分で迎えに来て、買った物を持って先に帰らせて、一緒に夕飯を食べてきた、と・・・・・・清継君は『お坊ちゃん』だけど、リクオ君は『お殿様』だよね。
 天下の公道であることを気にしないのか、気づかないのか、奴良家のお殿様は、愛妻をそっと抱き寄せながら、こうのたまった。
「つららは、今、大仕事をしてくれてるじゃないか」
「大仕事?」
「ボクの子供をお腹の中で育てる、ていうつららにしか出来ない大仕事だよ。こればっかりは、つららに頑張ってもらうしかない。周りは、何もしてやれない。だからこそ、せめて、頑張り過ぎるお前の負担を軽くしたいんだよ。みんな、お前が好きで、お前を大事に思っているんだよ?」
「・・・リクオ様!」
 ・・・・・えーと。
 さっきリカちゃんといづみちゃんが言っていたように、最近、リクオ君は背が伸びてカッコよくなった。元々顔立ちは整っていたんだけど、かわいい感じだったのが大人びて、凛々しくなったんだよね。
 及川さんは、出会った頃からずっと、とっても可愛らしい(島君なんかメロメロだった)。おまけに、今は、内面的な輝きが外側にも表れていて、眩しいぐらいだよ。 
 だから、寄り添う二人は、かなり絵になる。
 なるけど・・・・・・
「及川さん、じゃなくて、奴良さんなのかな?ご懐妊おめでとう。二人に似たら、きっと可愛い赤ちゃんが産まれそうだね。・・・・で、私、もう帰っていい?」







 ああ、小豆トッピングの抹茶ソフトがおいしいなー。
 読モのバイトを続ける以上現状維持程度のダイエットはいつもしてて、いつもなら夕ご飯の後に甘い物を食べたりはしないんだけど、今日はどうしても我慢ができなかった。
 甘い物は、心を癒すよね・・・・・
 なんか、ちょっと、疲れたかも。
 いや、気になってた疑問は、これでもか!ていうほど解消してもらえたけどさ。普通の女子高生には、イロイロと衝撃が大きいよ。
 及川さん(奴良さん?うーん、まだ籍は入ってないから及川さんでもいいよね)は、今は、リクオ君の家で(というか、同じ部屋で)暮らしてるのかぁ。15歳でお嫁さんになるって、どんな気持ちなんだろ?
 4月末現在で妊娠5カ月ということは、リクオ君、15歳でパパになっちゃうかもしれないのか・・・・
 ううぅ~、真相がわからないのも気になるけど、衝撃の事実を一人で抱えるのももやもやするよ~!
 王様の耳はロバの耳の床屋さんの気持ちが、ホントよくわかる。
 「早くも生徒と教師の間で『良い奴』と評判の、真面目なクラス委員奴良リクオ君は、実はもうお嫁さんがいて、一緒に住んでて、お嫁さんのお腹の中には子供もいるんだよ!」なんて、1人で抱えるには大き過ぎる事実だよ。
 なんだかすごく、この件について誰かと話したい気分なんだけど、これ、他の人に言っちゃっていいのかな?
 清継君は、変なとこ順応力高いから、こっちが驚くぐらいすんなり受け入れそうだよね。
 島君は・・・・・泣くね。どう考えても、泣くね。
 沙織と夏実は、私と同じぐらい驚いてくれるよね、きっと。
 ゆらちゃんは、時々、奴良家の新婚夫婦と一緒に内緒話してたから、私より先に事情を知ってたのかもしれない。
 う~ん、清十字団メンバーなら知らせてもいいような気もするけど、学校にバレたらマズいだろうし、私の口から漏らしていい情報じゃないよね。さっき、リクオ君に「他に誰が知ってるのか?誰になら話していいのか?」を確認しとけばよかったのかも。
 いや、今から電話しよう!このままじゃ、もやもやして今夜眠れそうにないもん!
 と、意を決して電話を掛けたんだけど。
「・・・・・・・・・・出ないし」






 結局、一晩眠れずに過ごして、他の人に聞かれないようにと早朝に登校し、例によって例の如く日直仕事をしているリクオ君を人気のない屋上へ引っ張って行って、尋ねた返事が、コレ。
「そういえば、まだ誰にも言ってなかったね。う~ん、でも、学校で噂になっても困りそうだし、できれば内緒にしてもらえるとありがたいんだけど」
 両手を合わせて拝みながら言われたら、内緒にするしかない。けど、これじゃ、私のもやもやは解消されないよ!
 おまけに。
「見たよー、カナちゃん。朝、奴良君と屋上行ってたよね?何話してたの?告白でもされた?」
「おおっ、とうとう幼馴染カップル成立!?」
 昨日中途半端なかわし方をしたせいで、リカちゃんといづみちゃんは盛り上がってしまっていた・・・・・
「違うから。も、絶対に1000%違うから。今後もそんな展開来ないから」
「またまた~、照れちゃって♪」
「奴良君、他の女子のことは苗字にさん付けなのに、カナちゃんだけ呼び方違うんだし、やっぱり、奴良君は幼馴染以上の気持ちが・・・・」
「ないない。全然ない。全く、これっぽっちもないから」
「カナちゃんは気づいてないかもしれないけど、奴良君、結構女子から人気あるよ。そりゃ、まだそんなに本気の娘はいないけどさ。後で気づいて遅かった、てなるかもしれないよ~」
「もうすでに取り返しがつかないから、この先は何もないよ。うん、ない」
「えー、でも、逆に、奴良君がそう思うかもよ?カナちゃんと他の男子を見て、とか」
「そっちの可能性も、皆無です」
 リカちゃんといづみちゃんは、きっと、恋話が好きなんだね。うん、よくわかった。だけど、そろそろ勘弁してほしい。
 中学時代の私もこんなふうだったのかな?だったら、リクオ君たちに悪いことしたなぁ。
 と思って視線を向けると、愛妻弁当を食べ終わったリクオ君が、『朗らか』な笑顔でこっちに近づいてきた。
 あ、なんか嫌な予感。
「カナちゃん、次の週末空いてる?」
「・・・・どうしたの?」
 さっきまで散々リクオ君の名前を連呼していたリカちゃんといづみちゃんは、ぴたっと黙っているけど、好奇心でわくわくしてるのがよくわかる。
「よかったら、久しぶりに、うちに遊びに来ないかな?美味しいお菓子もあるし。最近あんまり話してなかったから、久しぶりにゆっくり話でもしようよ」
 ・・・・・私は、リクオ君とは長いつきあいだけど、こんなふうに家に誘われたことは、これまでに一度もない。リクオ君の家には何度もお邪魔したけど、それは、皆でお見舞いに行ったり、清十字団の活動の時だけ。
 なのに、この言い方。
 この誘いは、リカちゃんやいづみちゃんが期待しているような理由からじゃないだろう。
 私は、昨夜、ものすごーく、衝撃の事実を知る誰かと話をしたかった。
 同じように、眼前の幼馴染も、誰かに愛妻のことを語りたかったんじゃないかな?これまでは家の外の人に言えなかったけど、今はもう私にバレちゃったから、「これで惚気話が出来る!」と思ったんじゃないかな?
 私も、確かに、まだまだ気になることはあるんだよね。
 様付けの謎とか、そもそもの二人の馴れ初めとか、妊娠発覚の時はどうだったのかとか、及川さんのご家族はどう思ってるのかとか、いつも内緒話してたのは何を話していたのかとか、なんで中2あたりからゆらちゃんも内緒話に加わってたのかとか、赤ちゃんのこととか・・・・・・  
「どうかな、カナちゃん?」
「・・・・・土曜日なら」
「「!」」
 リカちゃんといづみちゃんが、目を爛々と輝かせた。この後、絶対、面倒くさいことになるだろう。
 だけど、だけど、私は、好奇心に勝てなかったんです・・・・・・・・


  



「うちの子が男の子だってわかってから、もう家中みんな大騒ぎでさ。昨夜は、どこの神社にお宮参りに行くかについてで揉めて、喧嘩しそうになってたんだよ。うーん、気にしてくれるのはありがたいけど、もうちょっと落ち着いて欲しいよね」
「・・・・リクオ君、その話、朝から3回目だから」
 すっかり臆面がなくなった愛妻家で親バカなお殿様は、日々の雑用の隙を見つけては、学校で唯一事情を知っている私に内緒話をしかけてくる。
 中学生の時は、『良い奴 奴良君』と『謎の美少女 及川氷麗』の関係にみんな興味津々で、たくさん噂をしてた。
 だけど、高校生の今は、惚気話をしたい人が紛らわしいことをするせいで、『良い奴 奴良君』と『読者モデル 家長カナ』が噂になってしまっている・・・・・・・
 ほら、今も、リカちゃんといづみちゃんがこっちをじっと見てるし。
 違うのよ!この人、惚気話がしたいだけなの!赤く染まった頬も、優しい眼差しも、本当に向けられてるのは、私じゃなくて家で待ってるお嫁さんだから!
 違うんだったら~っ!!



 
 好奇心は猫をも殺すという言葉通り、好奇心に身を任せてしまった家長カナの苦難は、まだまだ終わりそうにない。


「エコー写真を見たら、つららが泣いちゃって。なかなか泣きやまなくて大変だったよ~。確かに、うちの子すごく可愛くて、ボクも感動したけどさ」
「・・・・・・その話、5回目だから」
 


【おしまい】
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