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高砂や・柒

 もう7か。
 うーん、この分だと12は絶対超える(今10を書いているから)。
 何時間話してるんだろう、この方々。
 鴆様、喉は大丈夫ですか?
 でも、リクつらってネタがつきないから、しょうがない。


 無遠慮な灯りが増えて闇が薄まった現代でも、夜こそが妖の時間。
 夜が更けて、妖怪穏食事処化猫屋は、ますます盛り上がっている。
 店一番の上席である奥座敷も、どうやら、だんだん雰囲気が変わってきた。
 薙刀の代理を終えた蟹スプーンで蟹の身を剥きながら、良太猫が何やらぶつぶつ呟いている。

「うう~ん。それは確かにドラマチックだし、『何か』はありそうかな・・・・。いやいや、でも、情にも種類があるってもんだし。あ、鴆の旦那、手酌なんて止めてくだせぇ」
 鴆の手から徳利を奪った良太猫が、お猪口になみなみと酒を注ぐ。鴆がニヤリと相好を崩した。
「おう、ありがとよ。いやぁ、しかし、こうやって改めて話してみると、いっぱいあるもんだなぁ」
 何が、だなんて言わずと知れている。『何か』がありそうだという根拠、である。
「そうですね・・・」
「でもなぁ、これでもまだ終りじゃねえんだよ。まーだあるんだ」
「あるんですか・・・」
 注がれる酒をくいくい飲み干しながら、鴆はご機嫌で言葉を紡ぐ。
「ああ。鬼纏の時の話とか、な」
「鬼纏かぁ。リクオ様派の連中は、みーんな、いつか己を纏っていただきたいと思ってますよ。鴆の旦那が、最初の鬼纏の相手なんですよね?どんな感じなんすか?」
 鬼纏は、半妖の身の人間の部分に妖怪をとり憑かせ、互いの畏を相乗して放つ技だ。
 そんな技だから、まず纏う側が半妖でなければならぬし、纏われる相手と纏う相手との信頼関係が必須だし、纏う側の畏が纏われる側より弱ければとり殺されてしまうとあって、これまで、この技の使い手は、リクオの父である鯉半だけだった。
 良太猫は、こう見えて古参の妖怪だが、武闘派ではないので、鬼纏は未経験。だからこそ、好奇心で目を輝かせている。
「鬼纏には2種類あって、全力解放してぶっ放す畏砲と、互いの畏を重ね合わせる畏襲。オレがやったのは畏砲の方で、これは一撃に己の畏を全部載せるわけだから、かなり疲れた。連続で何度も、てのはキツい技だな。己の全てが吸い込まれちまうみてえだったぜ」
「へ~」
「オレの次に鬼纏の相手になったのが、雪女だ。あいつの場合も、畏砲だな。で、だ。この鬼纏って技は、相手との信頼関係がなくちゃなりたたねぇ。リクオと相手とに、心が通ってる必要があるわけだ。オレの場合は、オレがリクオの力になりたいと願い、伝えた。雪女の場合は、リクオから行った」
「何ておっしゃったんで?」
 そこで、鴆は一度言葉を切った。何にやら気になることを思いついたらしく、眉間に皺を寄せて、うーんと唸って首を傾げている。
「・・・・いや、今、ちょっと気づいたんだが、さっきから言ってるように、雪女は土蜘蛛に囚われてて、リクオが助けに来た。つまり、リクオと雪女の前には土蜘蛛がいたわけだ。なのに、土蜘蛛のやつ、よくもまあ邪魔せずにあいつらのやり取りを見てたなぁ。ああそうか、土蜘蛛はリクオの新しい技を受けてみたかったから、邪魔しなかったのか。にしても、なぁ」
「鴆の旦那!お一人でわかってねぇで、オイラにも教えてくださいよ!」
 焦れた良太猫が袖を引くと、やっと鴆は我に返った。そして、開き直ったようにニヤリと笑う。
「あぁ、悪ぃ。じゃあ、教える。あのな、リクオはな、あの三国一の色男様はな、『お前の、その心も体も、全部俺に預けろ』とのたまいやがったんだぜ」
「えっ!?こ、心も体も!?」
 予想外の口説き文句に、良太猫は赤面した。それも、無理はない。良太猫としては、主従の誓い的な台詞が出てくると思っていたのに、まだ(この時は)齢12のはずのリクオの口から出たのは、誰がどう聞いても口説き文句としか言い様のない台詞だったのだから。
「おうよ。すげえよな、あいつ。後ろにいたのにリクオにはすっかり存在を忘れられてたっぽいオレたちは、ぬらりひょんの血ってこういうことか、となんか妙に納得したもんだぜ」
 百鬼を率いるということは、百鬼の心を虜にするということだ。だからこそ、百鬼は烏合の衆ではなくなり、主の為に一丸となって力を発する。
 だが、これは・・・・・・・・やり過ぎだろ?、と良太猫は内心で呟いた。
 リクオには『そういう意図』がなかったとしても、あの色男ぶりでそんなふうに口説かれたら、トキめかない娘は珍しいだろう。
「リクオ様は、・・・・いやまあ、考えてみれば、初代も二代目もそうでしたけど、なんというか、ぬらりひょんって妖は罪なお方ですねぇ」
「ああ。まったく、罪深いったらねぇよ。あの後、いろいろ大変だったしな~」
 鴆は、楽しげにくつくつと笑った。


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