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高砂や・壱

 ぬら孫ss。
 
 鴆様と良太猫が、リクオの嫁について語ります。
 CPは、リクつら。
「で、良太猫、これはどういう塩梅なんでぃ?」
 今日も今日とて繁盛している妖怪穏食事処化猫屋、その奥座敷には、2人の男が坐していた。
 上座に座るは、関東に名を轟かす妖怪任侠奴良組で、薬師一派を率いる、鴆。己が翼の猛毒に苛まれゆく身とはいえ、さて今宵も、いなせな男っぷりは健在だ。
 下座にかしこまっているのは、化猫屋店主にして化猫組の組長である、良太猫。ドテラにバンダナのその姿は、箔があるとは言い難いが、その分、愛嬌はたっぷりだ。
 どちらも同じ奴良組傘下の貸元だが、どんな社会でも医師は一目置かれるもの。ましてや、鴆は、三代目と五分の盃を交わした義兄弟で、良太猫は、商いは上手いが腕っ節はからっきしときている。誰からも明言されたことはないが、なんとなく、鴆の方が立場が上ということになっていた。
 なので、鴆が、表が書き込まれた紙をひらひらさせながら詰め寄ると、良太猫は、ぴくぴくと頬を引き攣らせた。
「いやいや、鴆の旦那、こりゃあただの酒の席のおふざけってやつでして・・・・」
「しらばっくれんじゃねぇよ。裏は取ってあんだ」
 良太猫は往生際悪く誤魔化そうとしたが、鴆はぴしゃりと遮る。
「・・・・・・それで、鴆の旦那は、この他愛ないおふざけを咎めようというわけで?」
 良太猫も任侠者だ。バレているとなったら、言い繕うなど無様なことはしない。あっさり開き直って、睨まれるのを覚悟で、ニヤリと笑ってみせた。こちとら博徒なんだ、お咎めが怖くて博打が打てるか、てね。
 そうしたら、てっきりクワっと目を見開いて説教かますかと思われた鴆が、ニっと口角を引き上げて笑う。
「咎める?馬鹿言うな。オレが言いたいのは、一口乗らせろ、てことだよ。リクオの嫁さんがどうなるか、義兄弟のオレが賭けねぇでどうするんだよ」
 そう、良太猫が密かに始めた賭けの対象は、夜の世界のスーパールーキーこと、関東任侠妖怪総元締奴良組三代目総大将、奴良リクオの嫁取りだった。
 人間としての年齢そのままに稚さを残す昼姿はともかく、初代と二代目の血を濃く継いだ夜姿は、震えが来るほどの男前な上に、京都での戦いでは腕っ節や器も見せつけたとあっては、女が寄り付かぬはずもない。なのに3/4は人間、という設定のドラマチックさも相まって、奴良組傘下の妖怪たちのリクオに対するワイドショー的関心は高まるばかりだ。宴席の話題に上らぬ日はないほどの人気ぶり。
 誰もが、リクオの嫁取りに興味津々だ。
 しかし、なにせ相手は奴良組の三代目、あんまり騒ぎ過ぎてはお堅い鴉天狗辺りから厳重注意を食らうのは必至。だが、それでも興味は抑えられないモノ。
 かくして、好奇心は猫を殺すの諺を実践しそうな良太猫が、こっそりひっそり、しかし意外に手広く、賭けを始めてしまったわけだ。
 どうやら鴆にはバレてしまったようだが、生来の病弱のせいで出入りに参加することこそ少ないものの、鴆という妖怪は、仁義厚く伝法な性質。初代総大将の気質を反映したお祭り好きで豪放磊落な奴良組の気風をこよなく愛し、三代目リクオを盛り立てるのが己の使命と豪語する彼が、この賭けに乗らないはずがない。
 だって、『誰もが』『興味津々』ということは、盃を交わすほどリクオに惚れ込んでいる鴆も興味津々だということなのだから。
「さっすが鴆の旦那!話がわかる!」

 こうして、奴良組三代目の嫁取り談義は始まった。



【つづく】
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