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 シャーマンキング。ハオ。
「そうかな?」
「うん。あなたはいつも空を見ている」
「・・・・・そうだね」














 僕は空を見ている。
 空には何も無いのに。

 何にも、無いのに。




 僕に触れない。
 太陽は、月は、星は、雲は、虹は。
 僕に触れないから、空には何にも無い。


 
 なのに空を見てる。
 何度産まれてきても。
 その度ごとに。
 空を見てる。














 色なんか重要じゃない。
 青だろうが、赤だろうが、紫だろうが、黒だろうが。
 
 明るさすら大切じゃない。
 目が眩もうが、真っ暗闇だろうが。
 
天候すら見飽きてしまっている。
 晴れでも、雨でも、曇りでも、嵐でも。

 美しくあればいいとは思う。
 澄み渡っていたはずなのに、薄汚れていくから。


 疎ましいのは、空間。
 僕の頭の上に、果て無き空間が在るってこと。
 過去に在ったし、未来に在るだろうし、現在に在る。
 

その事実が僕を打ちのめす。






 空はどこにも何にも無くて、そのくせ僕を支配しようとする。
 そんな当たり前のことにいつまでたっても慣れることができずに、僕は苛立つ。 
 空は、絶望にやたら似ている。















 いつだったか思い出せない程遠い記憶の中で、僕は彼女に尋ねたことがある。
 空が好きか、と。
 他の誰にもそんなことを問うたことは無い。問う気にもなれない。
 彼女だけだ。
 彼女だけに、僕は問いかけた。
 
 彼女は答えた。
 空はそんなことに関係なく悠久の時を在り続け、決して満たされたりしないものだわ、と。
 あの、まっすぐな眼差しのまま。
 


 折れそうに細い彼女を、折ってしまいそうなほど力を込めて抱きしめながら、彼女らしい答えだと思った。
 やはり彼女しかいないと思った。


 世界は僕に優しくなくて、僕は世界に優しくできない。
 世界は僕を愛しはしないが、僕は世界を愛さずにいられない。
 
 そんな世界の中で、彼女だけに出会いたかった。
 

 
 

 







 世界が在り続けるのを望むことは、痛みが在り続けるのを望むことでもある。

人に出会うことは愛を知ることであり、尽きせぬ孤独を知ることでもある。

 生きることは誰かの屍を踏むことであり、やがて己の屍を踏まれることでもある。

 愛は心を満たしきれず、孤独は心をますます空虚にする。

 祈りと呪いは同種のものである。


 ならば、この世界が呪われていないと誰が言えようか。 
 僕にあるのは破壊のための力だ。 
 呪われた世界を破壊するための力。
 





 屍の山に一人立つ、僕の言葉を聞く者はいない。
 だあれも、いない。
 言葉は、虚しく空に吸い込まれていく。 











 神に縋る術すら忘れた僕は、空を見上げながら彼女を待つ。

 この世界を終わらせ、新しく始めるための祭り。
 星のうたを謳う祭りを始めるために、彼女を待つ。

 たった一人の彼女を待つ。





 僕にあるのは破壊のための力。
 








 この力で壊された僕は、この力で彼女を壊すのだろうか。
 この力で僕は壊されたけれど、この力で空を壊すことは出来ないのだろうか。  
 



 空は、答えてはくれない。










 独りでないとは、信じられない。
 世界に拒絶されていないとは、信じられない。
 世界の破壊を望まなくていいとは、信じられない。


 この空の下にいるのは、僕独り。 
















 天高く、遠く、まろく。
 遥けき空は果つること無し。





 絶望は、何処に在る?

「そんなもの、どこにでも在る」

 何よりも、この僕の内に。




 Fin
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