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あの日あの時あの場所でいわゆる奇跡などと呼ばれている事象が起こっていたのならば

 冒険王ビィト。ミルファ。
 影が長い。ずっと戦っていた書類から顔を上げると夕陽が目に飛び込んできた。前日の雨のおかげか、今日の夕陽はいやに美しく光が強い。網膜を焼く、赤光。
 手を止めて顔を上げ首を回すとボキボキ音がした。苦笑して、しばしの休憩を取ることを己に赦して、窓を開けた。風が後れ毛を揺らす。
 ああ、赤い。これほどに赤い夕陽を見たのはいつぶりだっただろう?
 脳裏に浮かんだのは、アノ日の夕陽だ。暗黒の世紀が終わった、あの奇跡の日の夕陽。血煙が染みこんだように、ひどく赤かった。
 アノ日の記憶は鮮明で、だからこの胸の痛みもまだ健在だ。思い出す度、鈍く痛む。
 人類が救われたアノ日、最後の最後の真の敵を倒した彼らはその勝利と引き換えに姿を消した。
 夢を貫く強い意思と揺るぎない力、全てが特別で奇跡だった、英雄の男の子。
 私を天使だと言った、穢れてもなお美しく優し過ぎた、そっちこそ天使みたいな男の子。
 2人は、敵が残した罠から皆を守るために己の身を捧げた。らしい。
 誰もその場面を見ていない。私たちは手にした勝利に浮かれきっていて、罠に気づいたのは守られてからだった。何が起こったのか、彼らは死んだのか生きているのか、それもまた不明だ。
 残ったのは、勝利と彼らの不在、という事実。
 状況証拠から考えれば、死体が見つからないだけで死亡したと考える方が自然だろうけれど・・・・・・・
「でも、私は信じてる。私たちはミラクルチームなんだから。・・・・・・だから、ココで、協会のトップなんてわかりやすい場所で待ってるから、帰ってきてね。ビィト君。キッス君」
 呟いた言葉は夕陽に溶けた。

 夕陽は、焔のように赤かった。





【おしまい】
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