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スキトキメギストス【1/6 COMIC CITY 大阪 新刊】

●スキトキメギストス A5 p32 300円

 1/6発行のリクオ×子つらら小説。コピー本です。表紙はmk様。子つららが愛らしいです。
 p32 300円
【あらすじ】クリスマスイブの朝、歳神に歳を奪われたつららは、10歳未満の子供の姿になってしまった!? 歳神は大晦日に元に戻してくれるらしいが…。 記憶も子供に戻っているので、子つららとしては、リクオとは初対面になる。子つららが、リクオを出会い、恋に落ち、そして、恋を叶える物語。

 本文見本は、下に入れておきます。通販可。残部少。
【本文見本】


 ツリー代わりに飾り付けられた庭の松は、電飾ギラギラ。下ごしらえの終わったチキンは、油に投下されるのを今か今かと待っている。真っ白な生クリームで飾り付けられたケーキの上では、チョコレートのサンタが踊っていた。シャンパンとクラッカーも手配済み。
 そんな、やる気に満ちた12月24日の朝の奴良屋敷の廊下で、小首を傾げてボクを見つめる少女が1人。
 雪のように白い肌。僅かに蒼味を帯びた長い髪。羽二重の振り袖を楚々と着こなし、首元にはマフラー。長い睫毛に縁取られた満月色の瞳は、覗き込むと、二重の円環を閉じ込めているのがわかる。ひんやりした独特の気配。
 そして、可愛い。とっても、可愛い。
 そんな女の子は、この世に他には居ない。だから、間違えようなんて無かった。
 この娘は、つらら。
 奴良組三代目総大将の元守役にして現側近頭で、雪女らしく幾人もの男を虜にしているくせに、雪女らしくない驚異のスルー技能と恐るべき鈍感力の持ち主で、誰がどれだけ想いを寄せてもちーっとも気づいてくれなくて、迫っても口説いても悉く何故か悉く邪魔が入るし、それって他の男に対してなら有効な虫避けだけど本命のボクに対しても発動させるってどうなの、お互いに想い合っているのはつらら以外の全員に明白なのに、晴明との決戦を終えて1年も口説き続けないと両想いになれなかったってどうなの、いやまぁ、でも、今はボクと婚約しててボクが高校卒業したら結婚する予定なんだけどね、という、ボクの恋人の、つららだ。
 愛してるよ、つらら。
 だからこそ、ボクにはわかる。ボクは、つららを間違えたりしない。
 故に、ボクは叫んだ。
「えぇ~っ!? つ、つらら、何で子供になってるの!?」
 そう、つららが、10歳未満の子供になってたんだよ!




「もうっ、リクオ様ったら!」
「ははっ、こっちまでおいで~」
 おどけたリクオがつららの頬をむにっと摘まんで滑って逃げると、初めてのスケートなのにすぐ要領を掴んだつららが、ふさふさのうさ耳フードを揺らしながら追いかける。
 恋人たちで混み合うスケートリンクで、リクオは、全然似ていないので妹には見えないが、もちろん恋人にも見えるわけがない幼いつららとのデートを、予想以上に楽しんでいた。
 現在では、女子中学生の群れに交じっても違和感なく会話が出来る程に、現代人間社会に慣れ親しんでいるつららだが、昔は、リクオの予想以上に人間社会に興味が薄かったらしい。
 まだ幼いので買い物を任されることもなく、昼間に人間の街を歩くこと自体が珍しかったつららは、奴良家では見慣れぬ物を見つける度にリクオに説明をせがんできた。
 小学校に上がる前、リクオの外出のお供は大抵は守役のつららで、リクオは、お気に入りの手を繋いで歩きながら「アレは何?コレは何?」とたくさん尋ねたものだ。なので、今はその構図が逆転しているのが、リクオにはなんだか面白かった。
 リクオ自身が幼い頃から、つららは恋愛感情の対象で、幼児のくせにつららにキスしたいとか実は思っていたが、リクオを知らず幼過ぎる今のつららには、さすがにそういう衝動がわかない。
 だが、もちろんつららであるので、愛情はたっぷりある。
 妹や娘って、こんな感じだろうか?
 結婚を前提として婚約しているので、狐の呪いも解いてもらったことだし、将来自分たちが授かる子供について考えたことは何度もあるが、リクオの想像する子供は、男児ばかりだった。
 外見は、昼の姿に似るか夜の姿に似るかわからないが、とりあえず、大変濃いぬらりひょんの遺伝子を受け継ぐ男児となれば、中身は悪戯者に違いない。
 そんなふうに考えることはあっても、娘が産まれたら、とは想像したことがなかったのだ。
 中学生男子にしては女性の扱いに慣れているリクオだが、年下の女の子と接する機会は少ない。本家に女妖怪は多いが皆年上だし、小さくて幼く見える遠野の座敷童子も実はリクオよりずっと年上だし、学校で特に親しくしている女子は清十字団の同級生だし。なので、リクオは、『娘』という特別に親密で愛しい年下の女の子、を上手く想像出来なかった。
「リクオ様っ! ずるいです!」
「ずるくないよ~。ほらほら、おいで~。ボクを捕まえたら、アイス買ってあげるよ?」
 しかし、ぷんぷん怒るつららからひょいっと身を交わし、だがしかし離れ過ぎないように気を使って氷上で追いかけっこをするのは、とても楽しい。
 つららは年上ではあるが大変にからかい甲斐がある性格なので、予定通りに普段のつららとスケート場でデートしたとしても似たようなやり取りをしていそうだが、それでもやはり、違う。
 つららに育てられたと言っても過言ではない関係なので、リクオの中には、男として頼りにされてつららを守りたいという気持ち以外に、つららに甘えている部分がどうしても存在している。つららはおっちょこちょいなので心配する場面も多いが、つららになら任せられる、という信頼もある。
 だが、この幼いつららには、そんな甘えや信頼感は抱けない。そのせいで、楽しいことは楽しいのだが、いつもの3倍は心配だ。
 だから、リクオは、このつららが、自分の恋人でいずれ妻になる相手ではなく、将来生まれる娘の予告のように気がしてきた。
ならば、今回のことは、貴重な予行練習のチャンスなのかもな、なんて考えてぼんやりしてしまったせいで、リクオは、つららに追いつかれた。
「リクオ様、捕まえましたよ! アイス買ってください!」
「負けちゃった。じゃあ、可愛い可愛いつらら姫、アイスを選びに行こうか」
「きゃあっ」
リクオは、頬を林檎のように真っ赤にして勝ち誇るつららがあんまり可愛らしかったので、腕に座らせるようにしてひょいっと抱きあげて頬擦りをした。





「つらら、お前、どうしたんだ? なぁ、悪いようにはしねぇから、泣いてた理由をオレに教えちゃくれねぇかい?」
「何、でも、あ、りま、せん……」
「何でもなくて、こんなに泣くはずがないだろ? 誰かがお前を苛めたか? それとも、ドジって皿でも割っちまったのか? お前が何かしちまってても、オレはお前の味方だから、教えてくれよ」
 リクオ様って、ひどい方です。
 あの後、指先までジンジン痛むような感覚に苛まれながら涙を止められずにいたら、よりによって、夜のお姿に変化したばかりのリクオ様が通りがかってしまいました。
 お優しいリクオ様は、泣いている女の子を放っておけないようで、有無を言わさず抱き上げられて、リクオ様のお部屋につれて行かれてしまいました。それから、ずっと、お膝の上に乗せられて、離してもらえません。
 低いお声は耳に心地良く、頭を撫でてくれる手は大きく頼りがいがあって、抱き寄せてくれた胸は広くて温かいです。
 納豆小僧たちの話を聞く前なら、こんなふうにされたら嬉しかったはずなのに、今は、胸がしくしく痛むばかり。
「離して、ください。ほうっといて、ください」
 袖で顔を隠したまま、呟きました。
「嫌だ。泣いてるお前を、放っておけるか」
 まだ子供の私は、初めて知りました。優しいというのは、時に、惨いことなんですね。
 リクオ様が子供に優しいことは、下僕としては誇るべきはずなのに、今の私にはただ痛いだけです。
 だから、わかりました。

 私が、リクオ様に恋をしてしまった、ということが。


【子つららの恋の結末は、本にてご確認ください】
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