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お前がボクにくれるもの ② 2012/9/23 00:30

 ぬらりひょんの孫 リクつらss。

 リクオ様、お誕生日おめでとうございます!
 今、『純真無垢』というお酒を飲みながら、お祝いしております。いやぁ、名前がつららっぽいかなと思って。

 というわけで、お誕生日記念に、つらら誕と同じくリアルタイム連作企画。これは、その②です。


「つらら、入っておいで」
「……はい」
 障子の向こうでうろうろする挙動不審な影の動きをしばらく楽しんだ後、声を掛けると、一瞬固まってから、か細い声で返事が返ってきた。
 そろそろと障子を開けて入ってきたのは、可愛い可愛いボクの雪女。
 かつては手の届かない年上のお姉さんで、命を賭けてボクを守ろうとする下僕で、ずっと側に居てくれた家族で、今では誰よりもボクを理解し愛してくれる恋人は、片手で口元を隠しながら、ボクと目を合わせようとせず、畳の上で視線を彷徨わせている。枕元の行灯に照らされた雪肌は、部屋に籠る夜闇の中で仄白く浮かび上がり、昼間よりも艶めいて見えた。
 ……この様子だと、プレゼントは期待できそうだな。
 後数分で、ボクの誕生日だ。数日前、例年のように何が欲しいかを尋ねてきたつららに、ボクは、謎掛けのようなリクエストをしておいた。つららは、ボクより年上で、男を誑かす雪女のくせに(既に被害者多数)、己に向けられた男の熱情に酷く鈍い。だから、もしかしたらわからないかもしれない、と恐れていたんだけど、どうやら杞憂だったらしい。あんまり心配だから、わかりやすいように布団の上で待ちかまえてみたんだけど。
 ああ、良かった。
「つらら、こっちおいで」
 寝間着姿で布団の上に座るボクが手を伸ばすと、つららは、しばし躊躇うようにきょろきょろと視線を彷徨わせていたが、やがて、意を決した様子で布団の手前に座ろうとした。なので、ボクは、つららの腕を掴んで引き寄せ、膝の上に座らせる形で抱き締める。
「きゃっ!」
 寝間着じゃなくていつもの着物なのは少し残念だが、慎み深いつららのことだから、いかにもOKですという感じで現れるのが恥ずかしかったのだろう。ボクは初心者なので女の着物を上手に脱がせるかは自信がないが、多少もたついても、つららならきっと赦してくれるはず。
 それにしても……あー、柔らかい! 冷やっこい! イイ匂い!





「リクオ様、お誕生日おめでとうございます!」
 いつもは恥ずかしがって抵抗するつららが、珍しく、大人しいままで腕の中に居てくれるのが嬉しくて嬉しくて。ぎゅっと抱きしめたり、腰をさわさわしてみたり、髪に鼻先をツッコんでイイ匂いを堪能したりしていたら、つららの声がした。時計を見ると、0時を過ぎている。
「14歳のリクオ様に、イイことがたくさんありますように!13歳のリクオ様は頑張ってらしてご立派でしたけど大変でしたから、14歳の間はゆっくり出来ますように!14歳のリクオ様が、健康で、無事で、幸せでありますように!」
「それは、誰に祈っているんだい?」
 ボクの頭を抱き寄せるようにして言うつららが面白くて、頬っぺたに当たるふわふわ柔らかい感触が気持ち良いから、自然と笑顔になった。
 つららは、ボクを幸せにする名人だな。
「そうですねぇ。私は、神を否定しながらも縋る人間とは違って、妖怪で、この日の本で神と呼ばれる方々が全知でも万能でもないことは存じておりますが、それでも、祈らずにはいられません。私は、きっと、個々の神ではなく、この世の全てに、もし実在するならば運命やらというものに、嘆願したいのだと思います」
 そもそもつららは情の深さで世に知られている雪女であり、元々ボクはその情を一心に受ける守子である上に、忠誠を注がれる主だったから、つららの想いはとても深い。本当に。
 こんなに愛してくれて、こんなに愛せる相手がずっと側に居てくれて、この先も未来永劫一緒だと信じられるボクは、なんて幸運なんだろう。
 と、世界だか運命だかに謙虚に感謝したい気持ちはあるのだが、今のボクはお誕生日様特権で、ちょっとワガママになっていた。
 もっと。もっと欲しい。
「……そんなに広くに願わなくとも、お前がボクを幸せにしてくれる手段は、あるよ?」



 
 考えても考えてもわからず、猩影君は泣き出すし、黒田坊は温い笑みを浮かべてお茶を濁すばかりで、結局、わからないまま、22日の23時を過ぎました。
 なのに、私は、どうしても、リクオ様のお誕生日を誰よりも先に言祝ぎたくて、だけど、リクオ様がお望みのプレゼントも用意出来ていない己が不甲斐なくて、入りたいけど入れずに廊下で迷っていると、リクオ様が声をかけてくださったんです。
 嬉しかったのですが、入室しても、手ぶらで訪れてしまったのが情けなくて、目を合わせられませんでした。
 リクオ様が抱き締めてくださっても、申し訳無くて。そのくせ、腰のあたりを撫でられて恥ずかしいのに、イヤじゃないので困ってしまって。
 お祝いを言えたのは嬉しかったです。
 ですが、リクオ様は、やはり、私にはまだわからない特別なプレゼントを欲しがっていらっしゃるようで………私は、見当もついていないのに今すぐ御所望だったらどうしよう、とパニックになって。
 ええと。その。つい……雪山殺しを。
 リクオ様、ゴメンなさいっ!本当に申し訳ございません!
 赦してくれとは言えません。ですが、せめて、リクオ様の御所望の品をお渡ししたいので、今から探しに行ってきます!化猫横丁やらでたくさんの品を見れば、何か閃くかもしれませんし!





 9月23日7時50分、奴良リクオ起床。
 眉間に皺を寄せた仏頂面のまま身支度をして側近頭を探すも、真夜中に出かけて帰宅していない様子。携帯は圏外。
 故に、誕生日なのに朝から不機嫌MAX。


≪つづく≫
  
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